石原裕次郎版と近藤真彦版は見たことがあったが、渡哲也版は初めて見た。脚本は井上梅次となっているが、オリジナルそのままのリメイクではなく、設定が少し変えてある。
弟は音楽家ではなくレーサー志望になっていて、その弟が見覚えのある顔なのだが誰だかわからない。やっと藤竜也だとわかってびっくり。こんな好青年顔だったのだ。
当然ことだが、出演者がみな若い。由美かおるなどまだ小娘だ。
驚いたのが、バンドマンの中に日野皓正の名があったこと。ジャズの演奏シーンは本物のミュージシャンを使っていたのだ。
ただ、石原裕次郎版でも思ったことなのだが、ジャズはそんなに人気があったのだろうか。
小林旭の映画を見ているとジャズとは全く無縁の世界で、同じ日本でこんなに違うものかと思う。
芦川いづみはなかなか魅力的。
梶芽衣子(この映画の時はまだ太田雅子)も若い。
特筆すべきは、父親(宇野重吉)が存命で、母親(山岡久乃)とは相容れない生き方をしていること。
最後はいくらか救いのある終わり方。ただ、オリジナルでもそうなのだが、主人公の未来を奪う悪党連中がその報いを受けないのが納得できない。