カテゴリ:DTV
■friioによる革命
地デジが始まって、録画したものがアナログ放送のように他のPCで再生できなかったり、ゲーム機や携帯などで使えるフォーマットに変換できなかったりするなど不便きわまりない状態であったと知った。 コピー制限なしで保存できる台湾製の「friio」というPCで地上デジタルテレビ・チューナが発売されたのは2007年10月。このチューナをコントロールするためドライバーソフトウェア「BonDriver」が作られた。なぜ「Bon」なのか、それはfriioの形が「凡」という漢字の形に似ていることから来ている。このドライバーに合わせて視聴ソフトや録画ソフトなどがいろいろ開発されていった。これらはすべてフリーソフトである。 friioが発売されてから、各社から地デジチューナが単体で発売されるようになったが、録画したものは他のPCからは見ることができなかったり、制限が厳しくて動作条件を満たしているのに放送がうまく見られない製品もあった。 ■市販のチューナが解析されて、friioと同様に自由に使えるように これらのいくつかのチューナは解析されてfriioと同様に制限なしで使えるようになった。friio用に作られたソフトを使えるようにするために、「BonDriver」と同じようなインターフェースを持つドライバーが作られた。このようなチューナをコントロールするドライバーを総称して「BonDriver」。 ■friioと同様に自由に使うことができるチューナが発売 その後、PT1やPT2など、最初からコピー制限なしで使うチューナが発売されてきている。 新しい情報として「PT3」が6月下旬に発売予定されている。 ■現在、所有しているチューナ 以下のようなチューナの組み合わせで視聴や録画できるようにしている。 ・friio(白)地デジ あるとき受信不可。内部の樹脂を取り除いたら復活。この樹脂による問題はよくある話のようだ。そのときの修理に関する記事。このとき、内蔵カードリーダーは使用不可になった。 専用ソフトウェアのバージョンアップにより、台湾の製造元によるB-CASカードの情報を共有するサーバーから送られるものを使うことにより、B-CASカードなしで視聴できるようになった。 以下は修理のとき。 ・AVOX YDBC-30(Uniden DT300のOEM。YAGI DTC110も同じ)地デジ/BS/CS このチューナは、テレビに接続する一般的なチューナであったが、俗に「亀」と言われる「カメレオンFX2」というUSBインターフェースユニットのキットを組み立てて内蔵すれば、PCでデジタルTVを受信できるようになる。チューナ内部への配線など改造はいろいろ必要で上級者向き。 右側面にUSB端子を設けているのが見える。 ・MonsterTV HDUSF 地デジ PC接続用の地デジチューナであったが、この前の製品で解析が進んだため、自由に扱えるようになった。メーカーの自粛により対策されたが、すぐに解析が進んでBonDriverもでた。この製品にはリモコンが付属しており、これがTVTestなどの視聴ソフトでサポートされている。 後の製品は対策が進んで自由に扱えない。 詳細はMonsterTV HDUSF まとめ wikiにまとめられている。 ・KEIAN KTV-FSUSB2(初期型) 地デジ 解析されBonDriverが作られ、friio同様に使えるようになった。内部のファームウェア書き換えが必要。私が入手したものは初期型だったが、後に対策されたものが登場して内部に手を入れないと、ファームウェア書き換えができなくなった。現在でも4000円弱で入手できる。 このチューナは、ワンセグ用ロッドアンテナが内蔵されており、このアンテナ先端から外部アンテナ接続コードをつなぐのだが、接触不良をよく起こす。そのため、ロッドアンテナを取り外し、外部アンテナ接続コードを内部に直結改造している。 詳細はKTV-FSUSB2/FSPCIEの改造まとめWikiにまとめられている。 ・PT2 以前はfriioや解析されたチューナだったが、アースソフトがPT1という地デジ2波、衛星2波、合計4波同時受信できるチューナを発売。たちまち人気がでてプレミアム状態。その後、改良型のPT2が大量に発売されて完売。さらにPT2が追加販売された。このときは私はPT2を購入し、PCに内蔵したて記事を書いた。 PT2はPCIストットタイブのもので、またカードリーダー機能はない。 ■B-CASカードを読み取るためのICカードリーダー デジタルTVの復調やスクランブル解除にB-CASカードを使う必要がある。 安定してB-CASカードを読み込むために、NTT-ME SCR3310-NTTComを購入。住基カードにも使え、実際に申告にも利用した。 B-CASカードは裏向きに差し込む。 ■使用するソフトウェア ・テレビ視聴ソフトTVTest テレビ番組を見るためのソフトである「TVTest」、BonDriverのあるチューナならどれでも使用でき、複数のチューナをコントロールして切り替えることができる。録画も可能。いろいろなプラグインが作成されて機能を追加することが可能で、プラグインにより字幕表示も可能。番組表機能もある。多重に起動して、いくつものチューナを使い同時視聴も可能である。 実際にPCで受信したものが以下。 ・高性能録画ソフトEpgDataCap_Bon 高性能録画ソフトは、「EpgDataCap_Bon」と「TvRock」が人気があるようだが、私は前者のEpgDataCap_Bonを人柱版8の時代から人柱版10の現在まで愛用している。 EpgDataCap_Bonは非常に多機能な録画ソフトだけに設定。また、BonDriverがあるチューナであれば何でも使え、複数のチューナをコントロールして、チューナの数だけ同時録画も可能である(PCの性能により同時録画は限定されるが)。 基本的なコントロールする画面は以下のもの。 中に入っているプログラムには、LANなどのネットワークから、番組表を見たり録画状況を確認したり録画予約ができるようにもなっているものも入っている。 また、設定することで、ブラウザから番組表を見たり録画状況を確認したり録画予約ができるようにもなる。ルーターのポートをあけるなどすれば、外部からPCに限らずスマートフォンなどからも処理ができるのも凄い。 ・B-CASカード共有システムBonCasLink B-CASカード1枚をLAN内で共有するためのサーバーソフトとクライアントソフトである「BonCasLink」。サーバー側でカードリーダーによりB-CASカードを読み取りサーバーソフトで共有。クライアント側ではサーバーのアドレスとポートを指定することで共有できる。カードを共有できるので、カードリーダーを複数用意する必要がなくなる。 以下はサーバー側のソフトの設定画面。 ・チューナを共有するSpinel デジタルTVチューナを他のPCからもLANなどからリモートコントロールして共有するためのソフト。無線LAN内蔵のノートPCでチューナがなくてもテレビを視聴したり録画できるようになる。最初の設定が若干ややこしいが、spinel自体の動作を理解して設定していけば、素晴らしい機能が実現できる。 チューナを接続しているPCがサーバーとなり共有される。クライアント側は専用のBonDriverおよび設定状態が書き込まれたiniファイルを用意する。チューナ数が多い場合、専用のBonDriverをその数だけコピーしてリネーム、同数のiniファイルと対で利用する。注意するのが、サーバー側とクライアント側のバージョンの違いによりうまく動作しないことがある点で、ドキュメントを確認しておく必要がある。 以下では複数のチューナが共有されているのが見える。 ■録画専用PC 上記の、チューナやICカードリーダーを接続して、ソフトウェアを入れている。録画したり、チューナおよびB-CASカードを共有サーバーとしても使っている録画専用PCは以下のもの。NECの8ビットパソコンPC8801SR2のケースに入れているのが・・・(笑) 「デジタルTV録画専用PCの組み立て」や「PC8801MK2SRはデジタルTV録画PC、それにPT2を追加」の過去の記事で書いたもので、今となっては力不足となりそうなATOM搭載のマザーボードの構成で、現在2TBのHDDを2台搭載。容量的にはもっと欲しいところだが、何とか不要な番組を消してやりくりしている。ATOMでも複数の番組録画するだけでは処理的にはまったく問題はない。 ■PCによる視聴録画システム 全体の詳細は書いていないが、以上のような構成で、家電としてのレコーダーよりも素晴らしく柔軟に富んだものができている。何よりも、PCの数だけ視聴録画できるようになっている点が素晴らしい。 さらに東芝のREGZAという液晶テレビだが、これはPCのファイル共有ドライブにアクセスでき、PCで録画したTV番組を直接見ることができる。それと組み合わせている現在、とても便利なのである。 以上はある意味で、備忘禄的に書いたもので、他の人には訳がわからないものかもしれないが、少しは参考になるかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.01.10 10:32:19
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