カテゴリ:マーラー演奏会(2009年)
8月ももう終わろうとしています。なぜかあまりクラシックのCDを聴かず、コンサートも夏枯れ状態で、クラシック音楽からかなり遠ざかった日々をすごした一月でした。
数日前に、ヴィラ・ロボスのブラジル風バッハ全曲を一気に演奏するという、すごい演奏会があり、以前から楽しみにしていましたが、仕事の都合で行き損ないました(涙)。それで8月に行ったコンサートは一つだけになりました。8月26日サントリーホール、高関健指揮、読響によるマーラーの5番です。久しぶりに聴くオーケストラの響き、やっぱりいいなぁと、気持ちよく聴けました。 プログラムの前半は、ヘンデル没後250周年記念にちなみ、「王宮の花火の音楽」でした。ホグウッド校訂による新版(2008)による演奏ということです。現代楽器のオケでやるとどのようになるのだろうかと思っていたら、見たことのない金管楽器が出てきました!特殊なチューバで、普通のチューバを左右からぐーっと圧迫して細長くして、スマートにした形でした。世の中にはいろいろな楽器があるものです。演奏は花火大会にふさわしく、華やかで気持ちよかったです。演奏が終わって、拍手とともに、心の中で「たまや~」と叫んだりしてみました。 休憩のあと、マーラー5番です。早めのテンポできびきびとした演奏でした。第三楽章は楽しげな舞曲という感じがしました。 特筆すべきは高関氏のハープへのこだわりでした。ハープをなんと2台用意し、第二楽章や終楽章で音量を大きく出したい箇所で2台で鳴らせていたのです。第四楽章アダージェットでは、ほとんど一人でしたが、途中音量がやや盛り上がるところではやはり2台でユニゾンで弾かせていました。2台による演奏は、実際に聞こえてくる音として効果があったのかどうかは、正直良くわかりませんでしたが、こういうこだわりには、好感を持ちます。しかも、この第四楽章アダージェットのハープが、ツボを押さえ、すばらしく美しい響きでした。第四楽章がはじまった途端、ハープの音の美しさに唖然とし、弦の音への注意がしばしそがれてしまったほどでした。 高関氏はマーラーの楽譜の調査研究を相当やっているそうで、今夜の演奏も最新の研究結果を取り入れた楽譜を用いているということでした。聴いていて楽譜の細かな違いのことはわかりませんでしたが、ともかく演奏が良かったです。全体的にまっとうな路線をいく、すぐれたマーラーでした。充分に満足しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.08.30 23:34:36
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