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じゃくの音楽日記帳

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2009.12.29
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カテゴリ:演奏会(2009年)
続いて2009年のブルックナーのコンサートです。()内はブログ記事の日付です。
ほとんどの感想をブログに書いてなかったので、駆け足で書いておきます。
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  • 1番 スクロヴァチェフスキ/読響       3月 9日 サントリーホール
  • 4番 コバケン/日フィル                  4月24日 サントリーホール
  •    シャイー/ゲバントハウス        11月 2日 サントリーホール
  • 7番 ハイティンク/シカゴ響             2月 3日 サントリーホール
  •    デプリースト/都響                12月18日 サントリーホール
  • 8番 ブロムシュテット/チェコフィル  11月23日 サントリーホール
  • 9番 スクロヴァチェフスキ/読響        9月24日 サントリーホール (10/4)
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以前から気になっていて一度聴いてみたかったコバケンのブルックナー、今年はじめて聴きに行きました。4番、どこがどうというのは覚えてないんですが、やはりコバケンはマーラーがあっている、という思いを強く抱きました。もうひとつの4番はシャイー/ゲバントハウス。シャイーのブルックナーも今年はじめて聴きました。第一、第三楽章はテンポが速くせわしなく、管楽器の音などかなりきつめの表現で、ブルックナーとしてはちょっとなじめませんでした。しかし第二楽章などの弦の渋い味わいはさすがにゲバントハウスで、素晴らしかったです。終楽章は、それまでと一転、じっくりとした遅いテンポで進み、巨大な世界が作られていきました。とくにコーダは、さらに一段とテンポを落として、壮大なクライマックスが立ち現れ、凄かったです。終わってみると、部分的に鳥肌がたつようなところがいくつかありましたが、全曲通しての一貫した音楽の揺るぎなさのようなものがなく、中途半端な印象になってしまったのは残念でした。

それにしてもシャイーのやろうとしている方向には、もっと機能的現代的なオケが相応しいと思いました。この組み合わせは、指揮者にも、オケにも、どちらにも勿体ないことかも、と思ったりしました。

ハイティンクの7番は、オケが二日前のマーラー6番の大味な演奏とは違って、良く鳴って、アンサンブルもぴしりと引き締まり、まことに立派な音響世界を構築してくれました。音響的には完璧といっていい音の大伽藍でした。しかしハイティンクの作るブルックナーの世界は、今回は地味すぎるというか、淡泊すぎて、ちょっと物足りなく思いました。(2004年にサントリーで聴いたドレスデンシュターツカペレとの8番は神がかり的な演奏で凄かったのですが。。。)

こうして書いていて、シャイーがシカゴを、ハイティンクがゲバントハウスを振ったら良かったのかも、などと勝手なことを想像したりしました。

今年もう一つの7番はデプリースト/都響。前半のふたつの楽章は、スケール感こそないけれど、早めのテンポのなかにそれなりにゆったりとした味わいがありました。フレーズの出だしはもったいをつけずにあっさりと入り、フレーズの後半に少しテンポをゆっくりとしていき、音楽が若干うしろに引っ張られていく感じでした。(音楽が前に前にとつんのめっていくブルックナーは僕はもっとも敬遠したいですので、こういう感じは、悪くないです。)ちょっと驚いたのは第一楽章のコーダ。それまでの早めのテンポから一転、朝比奈御大ほどではないがそれを思い出すような遅いテンポとなり、コーダが演奏されました。朝比奈/都響のブルックナー演奏の伝統に敬意を表したのだろうかなどと思いましたが、それは考えすぎでした。(終楽章のコーダが第一楽章のそれと呼応するゆっくりしたテンポではなく、速くあっさりと終わってしまいましたので。)ともかく、前半のふたつの楽章は、小ぶりだが抑制の利いた上質の7番という感じで、かなり好感を持ちました。しかし後半のふたつの楽章は、ほど良い抑制の感じがなくなってしまいました。オケから強い激しい音を出させようとしたときに、浅くうるさい響きになってしまいました。前半が良かっただけに残念。デプリースト/都響の演奏は数えるほどしか聴いてませんが、以前聴いたマーラーの2番でもやはり同様な、大きな音のところでのきつさ、荒さが目立ってしまい、聴いていてしんどかったです。

ブロムシュテット/チェコフィルの8番は、余計なことをしないで、曲そのものに語らせるというような、匠の技を感じました。オケは、すべてのパートが必要以上に突出することなく、引っ込みすぎることもなく、すばらしいアンサンブルでした。これに凄みのようなものが加われば、さらにすごいブルックナーになったとは思いますが、それはそれとして、極上のブルックナーのひとつを聴けたと思います。ところで余談ですが、友人が、この演奏会のときバボラークに良く似た人を客席で見かけたと言っていました。バボラークの後任のホルン首席というと、2005年にマーカル指揮でマーラー5番を演奏したときに、若い人が、圧倒的な大音量で鳴らし、チェコのホルン健在なり、と強烈な存在感を放っていました。その人が今回もホルン首席でしたが、今回はそのときとは違い、完全なバランスを取ることに徹した、素晴らしい音を出していました。

来年もまた、どんなブルックナーが聴けるのか楽しみです。






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Last updated  2011.01.10 16:12:27
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