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じゃくの音楽日記帳

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2016.12.28
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もうすぐ2016年も終わり。書いておきたい個別の記事はたくさんあるし、きらクラの記事はもはや絶望的状況になっていますが、ともかくも毎年恒例の、今年聴いたコンサートのまとめをしておきたいと思います。最初にマーラーの演奏会です。

1番  上岡&新日フィル 3/16 すみだトリフォニー
   ティルソン・トーマス&サンフランシスコ響 11/21 サントリー
3番  岡田真&オーケストラ・アンサンブル・バウム 4/29オリンパス八王子
   田中宗利&関西グスタフ・マーラー響 6/19 ロームシアター京都
        末廣誠&都民響 7/31 東京文化会館
        ヤルヴィ&N響 10/6 サントリー
4番  (室内楽版) 紀尾井シンフォニエッタ&パリ管の合同メンバー 11/29 紀尾井
6番  山田和樹&日フィル 3/26 オーチャード
        マイスター&読響 7/31 サントリー
8番  ハーディング&新日フィル 7/4 サントリー
        ヤルヴィ&N響 9/8 NHK
9番  ヤンソンス&バイエルン放響 11/27 サントリー


1番、まずは春の上岡&新日フィル。上岡さんのマーラーを聴くのは、2010年のヴッパータール響との5番、2012年の読響との4番に次いで3度目でした。上岡さんのマーラーはいつも独特です。今回も4番の時と同様に、ポルタメントの強調がユニークでした。第一、第二楽章では大胆きわまる大きなポルタメントで度肝を抜いておいて、そしてきらりと光るように美しかったのが、第四楽章中間の弦が歌う主題のところでの、小さなわずかなポルタメント。この一瞬、すごく印象的で心憎かったです。上岡さんは2017年に、6番を振ります。どのような演奏になるのか、楽しみです。

1番、続いて秋にはMTT&SFSOの黄金コンビを4年ぶりに聴くことができました。本当は敬意を込めて独立した記事を書きたかったのですがついつい書きそびれ、今になってしまいました。MTTのマーラーを聴くのは、2009年にPMFを振った5番と、2012年にSFSOを振った5番につぐ三度目です。このSFSO との5番は、実に素晴らしい演奏でした。MTTのマーラーを聴きにサンフランシスコまで行く人がいるそうで、その気持ちが良~くわかりました。そのとき以来となる、今回の巨人でした。冒頭の弦のハーモニクスが、わざとそうしているのだと思いますが、雑音成分が多いというか、耳に刺激的な音で鳴っていたのが不思議な感じがしました。そして主部になり、音楽が進んでいきます。聴いていて、木管が実にとんがった音楽を奏でるのにびっくりしました。音色とかアーティキュレーションとか、そういうものが、かなり刺激的というか、とんがった感じなのです。すごくうまいのですけど、僕にはこのとんがりすぎみたいな性質が耳について、なかなか馴染めないままに音楽が進んで行き、今一つ入り込めなくてもどかしいです。MTTはテンポを自由に揺らして、良い感じなのですけれど・・・。やがて第三楽章の中間部、長調になって弦が静かに奏でられるところが始まったとき、ここの弦楽がすごく美しくてはっとさせられました。そして終楽章は俄然活き活きとしてきて、MTTの自在なアゴーギクもさらに気持ちよく、流石の演奏を聴かせてくれました。十分立派なマーラーでした。けれどもきっと彼らの本領は、もっともっとすごいのだと思います。MTT&SFSOには、いつか日本でも6、9番あたりを、やっていただけないかなぁ、3番とまで贅沢はいいませんから(^^;)、お願いです。マーラーファンが集結して満員になること間違いなしです。

3番、2016年はアマオケ3回、プロ1回を聴きました。いずれも詳しく記事に書いた通りです。それぞれ個性の豊かな演奏の中で、個人的に聴いていて一番幸福感を感じたのは、岡田真さん率いるアンサンブル・バウムの、温かな演奏でした。

4番は、室内楽版という珍しいものでした。4番の室内楽版は、エルヴィン・シュタインという人が1921年に室内楽用に編曲したものがあり、CDもいくつか出ています。僕が持っているのはリノス・アンサンブルによる演奏で、そのCDの表記では、Vn2, Va, Vc, Cb, Fl, Ob, Cl, Perc3, Harmonium, Piano, Sopranoの14人で演奏しています。今回の演奏会では、そのシュタイン編曲版をもとに、さらにアレクサンダー・プラットという人が1993年に改変した版だそうです。演奏者は、紀尾井シンフォニエッタ東京のメンバーとパリ管のメンバーを主とする特別編成+ソプラノ独唱の13人でした。(パリ管はこの時期ハーディングとともに来日してマーラーほかを演奏したので、それに合わせて開催したのですね。)第一Vnの千々岩英一さんは、紀尾井シンフォニエッタのコンマスであり、かつパリ管の副コンマスでもあり、まさに全体の要として皆をぐいぐい引っ張っていました。Cb は池松宏さん、きらクラ長岡公開収録に登場された方ですね。今回は発言される機会はなく、淡々と弾かれていました(^^)。あとパリ管側は、Vc, Fl, Clが参加されていました。若いチェロ奏者がめっぽう美音で素晴らしく、プログラムを見たらなるほどパリ管の首席でした。ソプラノ独唱は小林沙羅さんでした。
ところでこの夜の演奏会は、「20世紀初頭のウィーンの会員制サロンコンサートのプログラムを再現する」というコンセプトで、前半にシェーンベルク編曲による南国のバラや皇帝円舞曲その他が演奏され、こちらはとても素敵な演奏と思いました。対して後半のマーラー4番は、テンポが速くせかせかして、ちょっとぎすぎすした肌触りの演奏で、個人的にはちょっと違和感がありました。あと折角のハルモニウムの音が小さくてほとんど聞こえなかったのが残念でした。しかし千々岩さんは、さすがにパリ管の副コンマスを続けている方です、粘るようなボウイングによる熱い演奏が、見事だったです。第2楽章では千々岩さんの弦が切れるアクシデントがあったのですが、そのままきっちり弾き続けました。この演奏会にはNHKテレビが収録に入っていて、演奏が終わってから千々岩さんが、「NHKが入っていますので、第2楽章を完全な形でやりたいので、皆様お付き合いください」と言って、アンコールの代わりに、第2楽章がもう一度演奏されました。

6番は、7月のマイスター&読響が、記事に書いたとおり、明るく、明晰で、歌心も十分な、新しいマーラー演奏で素晴らしかったです。3月の山田和樹&日フィルは、マーラーチクルスの2年目でした。僕は昨年は3番、今年は6番だけ聴きました。山田さんのマーラーはやさしい歌心が魅力だと思います。今年は昨年よりもひとまわり進化した、充実した演奏でした。2017年の7,8,9番はさらに進化するのではないか、と楽しみになってきました。

8番は、ヤルヴィ&N響も良かったけれど、なんといってもハーディング&新日フィル、一つの時代の締めくくりの、モニュメンタルな演奏でした。

そして9番が、ヤンソンス&バイエルン放響。滅多に体験できない、美しく充実した名演でした。

2017年、どんなマーラーが聴けるのでしょうか。

 






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Last updated  2016.12.29 01:09:12
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