カテゴリ:もったいない学会
つづき、
引用開始、 続・石油ピークは食糧ピークであり文明ピークでもある(下) 【経済ニュース】 Y! 2009/05/13(水) 07:39 私はドバイを訪問したことがある。ドバイは周知のとおり石油の大手輸出国。オイル・マネーで経済が潤い、マネー大国となっていたが、昨年夏以降の原油価格の急落でバブルが崩壊し、急速にメッキが剥がれてきた。このように急速な経済発展を遂げていた産油国が衰退するとき、文明の脆弱さを覚えるし、科学技術でなんとかなるようなものではないことが分かる。一般に、地球温暖化によって、「地球が危ない」といわれるが、そうではなく、「人類が危ない」のである。従って、我々は、限りある地球資源を大切にすることが肝要なのである。 オイルピークの元々の提唱者は、シェル石油ヒューストン研究所の地球物理学者キング・ハバード博士である。提唱した時期は1956年だから今から40年以上の前のこと。このとき、博士は1971年にオイルピークが来ると説明、その後も多くの地球科学者がオイルピークの時期を2010年より前と予測していた経緯がある。事実、世界の経済発展はこれまで幾何級数的な流れとなっているが、この状況の下で、既にオイルピークが訪れたということを我々は確かな認識を持って臨むべきである。 このエネルギー危機は、石油に限った話しではなく、石炭など他の資源でも同様である。石炭もあと500年は供給不安は来ないという見方があるが、これはゼロ成長の場合で、資源の質を考えない希望的な観測でしかない。いずれにしても資源は有限で、将来的には石炭ピーク(coal-peak)が危惧される時期が来ないという保障はない。参考までに、この石炭ピークが人類ピークになるという説があることは軽視できない。その時期は2050年前後になるだろうという見方もある。 化石燃料については、仮に石油の供給が減少したとしても、オイルサンドやオイルシェールなどがあるし、更に、新エネルギーとしてメタンハイグレードやバイオマスなどの代替エネルギーなども話題になっているが、メタンハイドレートはEPRからみて資源とはいえない。ともかく、効率良い化石エネルギーが供給される時代は終焉を迎えつつあるといえ、これからの時代、我々は、脱炭素、脱エネルギー社会を目指さなければならない。石油ピークは、食糧ピークでもあるし、また文明ピークにつながるともいえるわけであるから。 従ってこれまでのように成長が当たり前だとする構造性に区切りをつけ、これからの日本は、着実に脱エネルギー化を図るべきである。特に、日本の食糧自給率は低いため、先進国の中でも危機的な状況にある。ゆえに、日本のプランBを早急に推進し、フードマイレージ(food mileage=食料輸送距離)を減らす努力が必要であるし、自然と共存していく道を模索すべきである。従って、人と自然を大事にする社会を目指すことが大事であり、改革は地方から進めることも肝要である。 参考までに、農水省の試算によると、日本のフードマイレージは総量では世界中で群を抜いて大きく、国民一人当たりでも7000トン・kmで1位となっている。また日本のエネルギー総量も石油換算で4億~5億トンと大きく増えているのである。(執筆:石井吉徳 東京大学名誉教授 工学博士、提供:オーバルネクスト) http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0513&f=business_0513_007.shtml お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/11/08 10:11:29 AM
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