20代女性、左上7、遠心カリエス
親知らず(8番)がうまく萌えて(生えて)いないので、虫歯になっている。7番ももちろん虫歯になっているが、通常は充填治療は難しい。痛くなってしまうと、7番も8番も一緒に抜歯になるしかないかもしれない。しかし抜歯も困難だ。上顎洞が近く、抜いたときん上顎洞底も一緒に抜けてしまって、鼻と口が繋がってしまうかもしれない。
8番だけ抜けても、7番の歯根は細い単根歯だし、遠心の歯槽骨は失われているので、骨植が悪くグラグラして噛めない、抜けてしまうかもしれない。充填治療が困難な場合は神経を取って冠を被せることになるのだが、そんな治療が上手くいくとも思えない。なおさら歯の寿命は短くなるだろう。
八方塞りだ。
とりあえず、7番の遠心カリエスの充填治療を成功させた後、8番を抜歯する。7番を保存するにはこう言う治療方針しかないだろう。
レントゲン写真での before/after から
before
after
これは口腔内の直視画像だが、誰が見ても7番の遠心の虫歯にどうやってアクセスしたものか、歯医者でなくとも絶望的になると思うがどうだろうか?
平行測定ミラーでは撮像は可能だが、遠心のカリエスは小さなデンタルミラーでなんとか撮像が可能という悪条件だ。メタルインレーを除去した後、コンパクトヘッドのタービンにラウンドバーを浅く付けて、トンネリング技法でなんとか虫歯にアクセスしてみた。
8番の抜歯は次回にでも。忘れていなければw
では時系列でどうぞ