前回は通常治療でもなんとか神経を取らずに部分的な銀歯になっただけですみそうな症例だったが
https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202212190001/
今回は違う。
痛みが出ていて、誰が見ても神経を残すことは無理だろうと思われる症例だ。
20代女性、右上6、咬合面カリエス(flouride bomb)、自発痛+
レントゲン写真を見ると内部のほとんどの象牙質部分が黒くなっていて、歯髄に達する虫歯があるように見える。
術前
術後の画像と見比べてみると分かると思う。
全部虫歯を除去すると露髄するだけで神経を取らざるを得なくなるので、露髄しない程度に除去する。
虫歯の深部には細菌はいないので、全部取る必要はないのだ。虫歯はハイドロキアパタイトの電気化学的な腐食であり細菌の存在とは直接の関係はない。
では時系列でアップしていく
初診時に水硬性セメントで仮封した。水素イオンの電気伝導を遮断するだけで痛みは止まる。
重曹うがいで痛みが止まるのと同じ原理だ。
多分水素イオンが歯質の内部を電導するのと関係があるのだと思う。
スプーンエキスカベータがズボッと入る。ほとんどの歯科医師は絶望?狂喜?するはずだ。
神経を残すのは無理ですよ。。w
上から見ても虫歯の深さは分かりにくい。
穴だらけのエナメル質から内部が見える。あの点は2次象牙質か?
あとはお馴染みの3MIX+α-TCPセメントで裏装してCR充填する。
これで次がある。壊れても何度も修復するだけだ。
一挙に削り回してこんなことにしてしまうと、20〜30年後には抜歯になってしまうかもしれない。
これが抜歯・再植になってしまった症例。これは次回にでも。
つづく