ここのコメント欄でこんなのは保存不可能なので抜くしかないでしょう?というのがあったのだが、
そうでもない。
もうかれこれ20年も持っているという症例があったので再掲です。
歯科医師の皆さん、やってみてはいかがかな?
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当時30代男性、根管治療(神経を取る治療)途中、放置
1年とか仮封が取れた状態で放置していると内部が虫歯で溶けてしまう。食渣とか溜まるし象牙質むき出しなので弱い。
レントゲン写真では99.999%の歯医者さんは保存は無理、抜歯しかないと諦める。
しかしそうでもない。α-TCPセメント+3◯IX+CRで、もう18年もっている。
時々再治療はしている。直近は去年2021年の8月だった。その時の画像もアップしよう。
諦めるのはまだまだ早い。
レントゲン写真のbefore/after から
before
2004/05/07
after
2020/07/28
2004/05/07、18年前の処置。
α-TCPはナノHAそのものなので、虫歯が再硬化するし、穴があっても歯質と同じ成分なので、生体はちょっと柔らかい歯として認識するようだ。何も考えずに直覆して問題ない。
ただポストコアを立てて、クラウンを作ることはできない。その場でCRで直接歯冠修復ができる技術がないと成立しない保存修復法だ。この時点でほとんどの歯科医師は諦める。歯科医師は歯を作れない。学生の頃から外注する気満々で、歯の形を勉強する歯牙解剖学の実習、歯型彫刻をおざなりにしているからだ。
以下は直近の修復で2021/08/17の画像だ。CRが欠けたというので、内部もついでに開けてみた。歯質がなく、軟組織が直接見えているところが何箇所もあるが、そのままα-TCPで直覆してる。
まだまだいけるだろう