40代女性、左上7、歯髄壊死
10年程以前、親知らずがちゃんと萌えて(生えて)いなくて手前の7番が虫歯になりそうだったので、抜歯したのだが、遅かったようだ。このような症例はままありがちだ。痛くなったら親知らず共々7番も抜歯になることは多い。
10年前のレントゲン写真
今回のレントゲン写真
数日前、強烈に痛んで眠れない程だったが、今はピタッと痛みが止まったと言う。歯髄が壊死してしまったようだ。
このような7番を保存することは技術的に困難なので抜歯せざるを得ないと考える歯科医師は多いと思う。7番は治療器具が届かないので物理的に処置ができないということもあるし、遠心の歯肉縁下に虫歯があったのでは、薬液も漏れるしそもそも根管治療ができないからだ。
しかしそうではない。遠心の歯肉縁下の虫歯をCRで充填した後に根管治療をすれば良いのだ。しかも僕の根管治療は1回で終わる。リーマー・ファイルすら不要な歯医者にとっても患者にとっても夢の様な根管治療だ。
今日は遠心歯肉縁下のCR充填という根管治療の前処置だ。切削器具も届きづらい。通常の方法ではCR充填はできないが諦めずに頑張り続ければできるようになる。若い歯科医師はトライして欲しい。
では時系列でどうぞ
普通にトンネリング技法を使う。一番後ろは狭すぎてミラーテクニックが使えないし直視はできないので、頭の中に立体画像をイメージングして器具の先端の感触を頼りに軟化象牙質を除去していく。
つづく