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カテゴリ:学習法
国語の成績を上げるにはどうしたらよいですか? という記事を先日書いた。→ 10月15日の記事
前回は、学校の国語の成績を上げる、という観点からの記事だった。今日は、中学入試、高校入試、大学入試での国語の成績アップについて書いてみたい。 まず、学校の国語の授業がどんなふうに進んでいるかを知ることだ。学校でおこなわれている国語の授業は、文章を読んでそこに書かれていることを理解するというよりも、そこから自分が何を感じ、どんな意見を持ったか、といったことが大切にされる。 読書感想文を書くのであればそれで良い。つまり、学校の国語の授業はつねに読書感想文を書くような授業になっていると言うことだ。そうした国語教育を長い間受けてきたこどもたちが入試問題に向かうとどうなるか。 彼ら、彼女らは、問題文に書かれた筆者の主張を読み取るよりも、自分がそこからどう考えるか、どう感じるかを優先する。入試問題で良く出題される四者択一問題。選択肢の中には「よい子はこう考えるだろう」といった選択肢が必ず含まれている。優等生的な解答だ。しかし、筆者の主張は全く別のところにあることがほとんどだ。国語のチカラのない子たちはことごとくその選択肢にひっかかってしまう。 こうした傾向は私立中学入試でも大学入試センター試験でも同じだ。大学入試センターの択一問題で、これは常識的に○だろうという選択肢は誤答であることがほとんどだ。公立高校入試はどちらかというと優等生解答が正解になる場合も多い。それだけ易しいということだ 入試問題の国語で得点アップするには、何よりも「自分の意見がどうなのかではなく、筆者が何を主張しているのか」「自分が主人公だとしてどう考えるかではなく、作中の人物がどう考えているのか」といった姿勢を持つことなのだ。 そして、これがなかなか難しい。自分の意見を持つこと、自分の立場で考えることがしみついてしまったこどもたちだ。いくら言っても「よい子ちゃん解答」をしようとする。作中の人物に自分がなりかわって自分の立場で考えてしまう。自分の経験則の中からしか解答が導き出せないのだ。 私は国語の授業の中で「君の意見を聞きたいのでは決してない。筆者が主張していることを聞いているんだ」ということを繰り返し言う。「君の体験の中ではここでは泣くのだろうが、主人公はここでまったく別の感情をいだいているんじゃないか」といった指導が続く。それでも、国語が不得意な(入試問題の得点がなかなかアップしない)生徒は、自分なりの考えから離れられない。 客観性。それが入試の国語問題を解くキーワードだ。言い換えると「我」からどれだけ離れられるかが国語読解のポイントになる。そして、それが子供と大人の決定的な違いでもある。国語が出来る生徒は大人といえる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.10.29 20:03:24
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