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カテゴリ:モンゴル経済・トゥグルグ
普段あまり聞いたことなかったのですが、モンゴルでも民間企業による債券発行(社債)があるようです。
6月28日に「スー」ボンドが発行されたと発表がありました。スーというのは、ミルクのことです。モンゴルに行ったことある人なら、一度は「スーテーツァイ」(ミルク入り茶)を飲んだことあるでしょうが、この名前の一部でもあるのがスーです。 で、ここで言う「スー」ボンドというのは、ミルクの債券という意味ではなく、「スー」という会社の名前のことを言っています。スー社はモンゴル最大手の牛乳製造販売会社であり、モンゴル証券取引所に上場しています。 で、発行条件ですが、なんと金利17.5%と高く、額面は10万トゥグルグ(約5千円弱)です。 一般の銀行の定期預金が15%前後あるので、社債としてのプレミアムが2-3%乗っているということでしょうか? 日本のような長期金利が低く、大手企業は1-2%で社債を発行できる国から見ると相当高く感じますが、実はこれでも「低い」のだそうです。 実際この記事は「社債は、投資家への保証されたリターンで資本調達を行う低コストの方法です。 」と書かれています。 私の知る限り、モンゴルの有名企業の借入金利は20%前後の場合が多く、確かにそれに比べれば「低金利」と言えます。ですがこの高金利が、モンゴル企業の収益を蝕んでいるのも事実です。 先日、中央銀行による政策金利が2%引き下げられましたが、もう一段の引き下げが実現できれば、民間企業へは結構なインパクトになると思います。 気になるのは、モンゴルの金融監督管理委員会の会長が、あいさつで「過去20年間で10社以上の企業が債券を発行したが、うまく行かなかった」と言っているところです。うまくいかなかった?英語では「failed to work efficiently 」とあります。 要するに、途中でデフォルトとか金利不払いとかいろいろ問題が多かったということではないでしょうか?だから、20年間にわずか10数社しか債券発行ができなかったのだと思います。 この債券が長期的にも紙くずにならずに、投資家?庶民?の懐を温かくしてくれることを祈ります。 モンゴルでは株式市場もなかなかうまく発展できませんが、こちらの債券市場は早く健全な市場に育つことを期待しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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記憶に新しい債券は、破綻して、グループの銀行が国立銀行に吸収された企業の債券です。その時点では結構高いイールドでしたが、債券保有者がどの程度回収できたかは聞いていません。 スー社に関しては、確かマックスグループの中でも成功している会社と聞いています。レッド・へリングを見ていないので何とも言えませんが、資金が有効に利用され、スー社が伸びることを祈りたいと思います。
(2017.07.05 10:01:34)
応援していますさん、ありがとうございます。やはり過去の債券はいろいろあったんでしょうね。やはり国内企業の目論見書は、モンゴル語なんでしょうね。投資家が結構いるということでしょうか?
(2017.07.05 10:29:26)
モンゴル2008さんへ
本日MSEで100,000(額面約4,500円)が1,112取引(約500万円相当)された模様です。債券の取引にしては随分小額です。多分、個人が売って個人が買ったのでしょうね。 セカンダリーも余り流動性が有りそうに無い気がします。まだまだ株式・債券市場が浸透していない国ですから。 (2017.07.05 16:29:52)
応援していますさん、ありがとうございます。
そうですか、一応購入後も市場で取引されるのですね。確かに債券にしては随分と小さい取引ですが、ないよりはいいでしょう。さすがに価格はわからないのでしょうね?価格も公表されれば、金利の市場価格がわかりますね。国債の価格はわかるような仕組みなのでしょうか? すいません、聞いてばかりで。こちらでは何もわからないものですから。 (2017.07.05 18:02:40) |