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カテゴリ:モンゴルの生活(イベント、季節)
最近モンゴル人の友人の来日などがあり、最近のモンゴル情勢を聞いたのでここに書きます。情報は断片的で完全ではないですが、モンゴルの政府やメディアに近い人なので多少は参考になるでしょう。
政治の話です。私はもともとモンゴルの政治にはあまり興味はないですし、聞けば聞くほど腹立たしい話が多いので、わざわざ聞こうとは思いません。 が、そうはいっても、モンゴル国のルールや施策を作るのは政治家なので、多少は知らないといけません。 もともと大統領は民主党、首相は人民党というねじれでしたので、大統領と首相が対立しやすい構造ではあります。 ですがどうも、その対立すべき両者が手を握っているとのことです。それは共通の敵、国会議長のエンフボルトの追い落としです。 近いうち、ツアガンサル前にも国会議長が首になるという見方が大勢なんだそうです。本当にそうなるかは不明ですが。ですが知りたいのはその理由です。 モンゴルの政治家の最大の問題は不正、賄賂ですが、当然現在の政府も賄賂退治を公約に掲げています。多分建前上なんでしょうけど、そうなるとカギを握るのは「賄賂退治担当大臣」です。 習近平を見ていてもわかりますが、「賄賂に関する情報」を得られる政治家は非常に権力を持ちます。多くの国民は必ず賄賂摘発を支持するからです。 ですがほとんどの政治家が賄賂を貰っているモンゴルでは、その担当大臣を誰が任命するのかが大きな問題になるのです。 バトトルガ大統領は賄賂撲滅を訴えて当選しましたが、大統領になってみたら、その担当大臣を任命する権利が大統領にはなかったというのです。 建前上の仕組みは別にして、実質的な任命権限は国会議長のエンフボルトが握っているのが大統領としては面白くないのです。 この件に関しては、首相のフレルスフ首相も大統領と同じ意見らしく、そのことで利害が一致してエンフボルトを首にしようとしているんだとか。 私から見れば、首相も大統領も議長もみんな賄賂大好きなんですが、それだけに担当大臣を決める権限が自分を守るうえでも一番大事ということなのでしょう。なんとも情けない理由での政争です。 このことにも絡んで、解散が近いのではないかと言います。本来は来年2020年が国会選挙の年なんですが、それを1年前倒しでやろうということです。 それはどっちでもいい話ですが、モンゴルの解散に関するルールは今まで聞いたこともないルールです。 日本であれば解散権は首相権限なのは誰でも知っています。じゃあモンゴルはだれか?それが首相ではないのです。大統領にも解散をする権限はないとのこと。 では誰かというと、国会議員自身なんです。私は思わず「は?国会議員自身?自分で自分を首にして選挙するなんてあるの?」と思わず聞き返しました。 まずルールですが、解散は国会議員76人の3分の2以上、つまり51人の賛成でできるんだそうです。それはそうだとして、なんで議員自ら自分を首にするのか? それは、どうせこのままでは来年は人民党は大敗するだろうから、まだ民主党が十分な準備ができていない今なら勝てるんじゃないか、ということらしいのです。 確かに安倍さんはそんな感じのことを理由に解散したことはありますが、それでもなぜ議員自らやるのかは正直私にはよくわかりません。 確かに今年勝てば向こう4年は実権を握れますから理屈がわからないでもない。でもそれを議員自らお金のかかる選挙を早くしたいというのは腑に落ちません。 というわけで、今年の政治の動きは、国会議長の罷免と前倒しの国会議員選挙のようです。 ま、こんなことやっているようでは、やっぱり国も政治家も変わらないとみるべきですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.01.16 23:11:43
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