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カテゴリ:日本とモンゴル(文化・交流)
このブログでも何度か書いた「特定技能」在留資格ビザへの応募者が殺到しているそうです。モンゴル云々ではなく、アジア各地で。
私もモンゴルのブログにも寄稿したこともあり、新制度のスタートが気になっていました。やはりというか、「予想を上回る」応募があって、対処しきれていないようです。 このブログは、モンゴルで読んでおられる方もいますので、その辺の事情を新聞等からの情報をここでお伝えします。 要すれば「準備不足」と「予想以上の人気」ということです。準備不足は当初からわかっていたことです。 法務省も外務省も従来との整合性とか、やる場合のシミュレーションなどほとんどできないままに、安倍総理が強引に国会を通したのですから、ある意味最初から分かっていたことでした。 具体的に言えば、「日本語の試験をするというが、それはどこが作るのか?」「どこで試験をやるのか?」「どのレベルなら合格なのか?」「どういう基準でビザを発行するのか?」 「国別に割り当てるのか、すべての人を対象に一斉に試験で決めるのか?」「どういう基準で民間会社に紹介するのか?」などなど、きりがないほどの疑問には全く答えられないまま、法律は成立したのです。 ですが、法律成立時には新聞などで「準備の不備」が指摘されていましたが、その後はほとんど報道されることなく、4月1日の実施日を迎えました。 以前お伝えしたように、外食、介護など14業種でこの制度が認められました。そのうちの「外食」についての例が書かれてました。 4月25日に外食の特定技能試験があったのですが、その試験を受けることができる定員は340人。 ところが、3月に募集開始したら、応募殺到しわずか1日で枠が埋まりました。あわてて翌日に1000人追加で受験できるようにしたが、それも満杯に。 6月には全国7都市で実施するときには、2000人の枠を設けるが、それも足りないとみられているようです。 4月14日は「宿泊」があり、これまた760人の定員はあっという間に埋まったそうです。が、当日のドタキャンが半数近くあったようです。 これは受験申込にお金がかからないので、気楽に申し込んだ人が多かったという事情もあるのでしょう。 これらの数字はあくまでも「外食と宿泊のみ」「日本国内での受験のみ」ですから、今モンゴルにいてこの制度に関心を持つ人は対象ではないのです。 なぜそんなにたくさんの外国人が日本で受験できるかというと、以前からある悪名高い「技能実習生」や「現在日本にいる留学生」の応募が殺到したからです。 なぜ彼らは応募に殺到したか?この制度は正式な労働ビザが日本語を話せる彼らには比較的簡単に取得できるからです。 「技能実習生」はあくまでも実習生、研修生ですから、正式な労働ビザではなく、それゆえに不当な扱いをされてきました。 ですが、こちらの資格に切り替えれば5年間は日本で正式な労働者として働けます。恐らく賃金水準も技能実習生よりは高いでしょうし、労働者の権利も日本人と同様になるでしょう。 留学生にとっても同じです。有名大学を出た一部の優秀な留学生は日本企業でも人気あるでしょうが、多くの一般私費留学生にとっては、簡単にビザ付きの就職は出来ません。なので、この制度に受かれば、やはり長期滞在ができます。 国外でも既に試験は行いました。4月13日にはフィリピンのマニラで「介護」分野の試験があったが、こちらも受け付け開始当日に予定定員がすぐに埋まったそうです。 現在、海外での試験が行えるように政府間で日本と協定を結んだ国はフィリピン、ネパール、ミヤンマー、カンボジアそしてモンゴルです。ベトナムなどの他の国は、まだ政府間協定が結ばれてないようです。 なぜ予想以上の人気となったのか?それは一言で言えば「情報不足」です。モンゴルもそうですが、アジア各国では日本への憧れは強く、イメージは日本人が思う以上に良いのです。 しかも、今までの技能実習制度だって、我々から見れば相当ひどい制度でも、現地には伝わりません。いや、直接私がモンゴル人に伝えても「大丈夫。とにかく日本へ行きたい!」という反応になります。 なのでいくら「日本人の嫌がる仕事」「大学出て誇りを持てるような仕事じゃないよ」と言ったところで、ほとんど聞く耳を持ちません。とにかく行きたいのです。 そういう多くのアジアの若者に対して、こうして正式なビザの制度を創ったら、そりゃあ殺到するに決まっています。 私の言う「情報不足」というのは、日本政府だけの問題ではなく、要するに長年の日本の良いイメージが、実際にどんな労働環境が待っていようが、すべてを打ち消して日本に行きたいくなるのです。 長期的にこの制度でアジアから人が来続けるかはわかりませんが、当分の間は超人気制度となるでしょう。 モンゴルではいつ試験が行われるかはわかりませんが、モンゴルの希望者はベトナム、インドネシアなど人口大国で行われる前に受けた方が良いかもしれません。 ああいう国で試験したら、ものすごい数の応募者が来る可能性もありますから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.05.04 19:36:16
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