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カテゴリ:モンゴルの近現代史
ノモンハン戦争80周年シンポジウムのあった翌日に、日本人モンゴル人合わせて28名程度がノモンハン戦争のあった現地ハルハ河に向かいました。
昨年から、「今年はハルハ河方面に行く!」と決めていました。オプションは2つ。友人のUさんとのんびりキャンプでもしながら行くか、このツアーに参加するか。 日本人にとってモンゴルはビザ不要で自由にどこへでも行ける国です。が、このハルハ河地域の中国との国境付近は違います。事前に国境警備軍の許可証が必要なのです。 また私なりにノモンハン戦争についてはいろんな文献を読んではいますが、日本のトップクラスの研究者と同行できるのは大きな魅力です。これらのことから、「のんびり個人旅行」ではなく「研究者らとのグループ旅行」を選びました。 ハルハ河は首都ウランバートルからは遠く、飛行機でドルノド県の県庁所在地であるチョイバルサンまで1時間半。更にその後車で7時間の予定です。 もちろん、その行程は舗装道路なしというか、そもそも道路はないので、草原の轍を走ることになります。ゴビやフブスグルへの旅行でも車での大草原走行は経験していますが、さすがに7時間走りっぱなしはありません。 ウランバートル空港で乗り込みます。飛行機は1時間遅れで出発しました。 窓から見える風景は、もちろん果てしなく続く草原です。 チョイバルサン到着は夕方5時半でしたが、まだまだ昼間のように明るかったです。 フンヌエアーのプロペラ機でしたが、結構快適でした。 フンヌというのは漢字で書くと匈奴。そうです、昔歴史の授業で学んだ「きょうど」です。モンゴル人は、この匈奴をモンゴル人の祖先の国と考えています。 これがドルノド県のチョイバルサン空港です。チョイバルサンは、モンゴル国独立時の有名な将軍です。 ここからは車です。 ご覧の通りの「ランクル軍団」です。 正確には、ランクル2台、レクサスLX2台、アルファード1台、ハイエース(ワイド版)1台の合計6台に乗り込みました。 アルファードとハイエースは、これからの難路大丈夫かなとちょっと気になりましたが、まあドライバーはプロですから大丈夫でしょう。 私はランクルに乗り込みました。全体の8割近くが日本人ですが、私の車両には日本人は私だけです。ま、日本から来た人たちには、私は「現地側の人」ということになっていたようですから。 ドルノド県の草原は、大草原の多いモンゴルの中でもトップクラスの「どこまでも平地の草原が広がる場所」としてモンゴル人には有名な地域です。 ドルノドの草原をモンゴル人が「車でずっと見ていても、何も景色が変わらない。眠くなって2‐3時間寝て起きたら、まだ同じ場所を走っていた」と表現するほど、平原が続きます。 モンゴルには大きな草原は多いですが、山も起伏も見えず、何時間も地平線が見え続けるのはドルノド県にしかないかもしれません。 何時間も走ったら、ようやく夜も更けてきまっした。チョイバルサンのスーパーで買ったパンやハムをサンドイッチにして夕食で食べたら、なんと馬頭琴の登場です。 この奏者アマルバヤルさんは、モンゴル国立馬頭琴楽団のソロ奏者で、モンゴルでも名高いトッププロです。 こんなすごい人が、一緒に来てくれたのには感激しました。実はアマルさんは、日本で5年間演奏活動をしたことがあり、日本語も上手です。 私はずっとランクルで隣のシートでしたが、穏やかでとても優しい素晴らしい方です。ちょっとモンゴル人にはいないタイプです。 大草原で夜空を見ながら素晴らしい馬頭琴の音色を聞くなんて、ウランバートルではありえない贅沢です。 馬頭琴を聞いていると、やはりこれは街中やコンサート会場の音楽ではなく、草原で聞くべきものだとわかりました。日本人全員が、草原で聞く馬頭琴に大感激していました。私も今まで聞いた中で最高だったと断言できます。 しかしながら、夜はどんどん更けていき、周りは真っ暗になっていきました。もう草原が凄いとか言ってられません。そしてついに、懸念していたハイエースが沼地にハマってしまいました。 まっすぐの道(轍)が連夜の雨で大きな水たまりになってしまったところがあり、それを避けようと草が多いところへ進んだのですが、そこがなんと草が茂っている沼地のようになっていたのです。モンゴル人らは「これは避けられなかった沼地だな」と言ってました。 で、ランクルです。ロープでけん引したら、たくさん人を乗せたままで重いはずのハイエースを力強く引っ張り上げました。 いやー、やっぱり陸の王者ランクルです。昨今のなんちゃってSUVとはわけが違います。 やはりモンゴルの大草原を走るには、1台だけでの走行は、たとえ夏でも危険であることがよくわかりました。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.07.17 12:14:08
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