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カテゴリ:昔の面白いブログシリーズ
「昔の面白いブログシリーズ」の第23回目です。2009年2月27日付けの「お正月の「あいさつ訪問」その1」を載せます。
9月の今から見ればお正月は季節外れではありますが、過去の本ブログの中でもページビューがトップ10に入るくらいの人気ページです。モンゴル人の「生活」を少しでも感じていただけたらと思います。 以下、掲載します。 今日2月26日はお正月の2日目です。昨日初日の出に連れて行ってくれたDさんが「明日、親戚の家を訪問するので、一緒に行ってみますか?」と声をかけてもらいました。もちろん「はい、是非!」と答えました。 モンゴルのお正月は、かなり遠い親戚も含めて皆あいさつ回りに出かけます。一方で、そのあいさつ回りを受ける家もあるわけです。 昨日のSSさんのお宅はまさに、あいさつ回りを受けていました。逆に、あいさつ回りに出かける方の立場もちょっと見たい気がしていましたので、早速今日出かけました。 今朝は最初から、私はドジってしまいました。昨日「明日は、父の家に来てくださいね」と場所まで教えてもらっていたのに、Dさんの自宅の方へ行ってしまいました。 電話すると「どこにいるのですか?見えませんが・・」というわけで、あわててDさんのお父さんの家に移動しました。 Dさんのお父さん宅です。お住まいは、アパートです。 昨日のSSさんのお宅のように、中央に羊がドーンと乗っていて、隣にパン(クッキー?)でできた高いお菓子の山があります。 Dさんに聞いたら、これがモンゴルのお正月の基本形だそうです。これにボーズを加えれば、日本のおせちみたいなものなんでしょう。とても数日では食べきれない量です。Dさん宅では、ちなみにボーズは1700個作ったそうです。 ここでのあいさつはそこそこにして、皆であいさつ回りに行くことになりました。お父さんやお姉さん夫婦など総勢私も入れて8人で移動です。最初は、お父さんのお姉さんのお宅に行くことになりました。 お父さんのお姉さん宅も市内中心部に近いアパートでした。 なんと97歳とのことです。とてもお元気そうでした。新年の挨拶状が大統領から直接届いていました。 この方のご主人(94年に亡くなられています)は、かなり位の高い軍人でモンゴルでも最高の勲章をもらっていたそうです。周りにはそのご主人やこのお姉さんの若い頃の写真がいくつも飾られていました。 なんだか歴史を見ている気がしました。97歳のこの方が若かった頃・・・多分70年前以上でしょう。若い頃の写真は、とても綺麗できりりとした感じの女性でした。 これは壁一面に貼られた、旦那さんの様々な記録です。お孫さんが作ってくれたのだそうです。 よく見ると、それこそ戦前の新聞や、ご主人が活躍された記事などがたくさん載ってました。「1945年の戦争でも活躍した」と聞き、第二次大戦終戦の時かな?だとすると、ソ連軍侵攻に合わせて来たモンゴル軍にいたのかな?などと思いを馳せました。 更には、(よく覚えていないのですが、)Dさんのお祖母さんにあたる方は、ノモンハン事件(こちらではハルヒンゴル戦争と言います)の時の日本語の通訳をしていたのだそうです。 Dさんの日本語の先生の血は、まさに血統書付なのです。とにかく、こちらでお年寄りの方のお話を伺っていると肌で「歴史」を感じます。 このお宅でもテーブル中央には、ドーンと羊が乗ってます。 羊は「しっぽ」「お尻」が大きいのが良いとされてます。この羊のお尻は立派です。写真の左半分で、大きく丸みがかっているのが「お尻(しっぽ?)」です。 お正月の訪問では、まず最初に一番年上の方へあいさつをします。この家の場合は、この97歳のお祖母さんです。その時、子供や孫らはそっとお金を渡していました。日本は子供にお年玉ですが、こちらではお年寄りにお年玉なのです。 私はお年玉の代わりに写真を差し上げました。インスタントカメラのチェキを持ってきたのです。デジカメもいいですが、なかなかその後写真を渡すこともできないので、チェキで撮って差し上げました。 何枚か撮って差し上げたら、喜んでくれました。これはチェキの写真を見ている様子です。右側がDさんのお父さんで中央がその97歳のお姉さんです。 Dさんのお譲ちゃんもとてもかわいいです。 最初は恥ずかしがっていましたが、段々慣れてきたようです。9歳ですが、英語は結構上手です。 部屋には、亡くなったご主人の写真や賞状などが飾られていましたが、その中に目立つ写真がありました。 ダライラマです。ここモンゴルは歴史的にチベットとは深い関係にあり、宗教もチベット仏教を源とするモンゴル仏教です。ダライラマの下のある写真が、亡くなられたご主人です。 ダライラマの写真は、ここモンゴルではよく見ます。多分、世界で一番中国人が嫌いな国民であろうモンゴル人がダライラマを尊敬しているのは、チベットが中国ではないことの一番の証左かもしれません。中国の主張通りであれば、ダライラマは中国人ということですから。 全体に、とてもお年寄りが大切にされていると感じました。車の乗り降り、階段の上り下りなど、必ず子供や孫が手を携えて支えます。 なんとなく、日本では「昔の光景」にように感じてしまいました。ここモンゴルは儒教の影響はないと思いますが、長老をいたわる気持ちは大変強いと思いました。 お土産を頂いて、次のお宅へ向かいます。この97歳の方の妹さん(多分?)のお宅訪問です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.09.18 09:53:56
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