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カテゴリ:学びまとめ
私たちは、昔と比べて物質的に恵まれています。100均に行くと、「これがこの価格で手に入るのか!?」と驚くこともあるのではないでしょうか。そして、昔に比べて長生きになりました。人生50年と言われる時代から比べたら、その時代の倍生きられるようになってきたのです。
けれども、昔よりも問題や悩みを抱える人も増えたと言われています。恵まれた時代になったのに、どうしてでしょうか?
さて今回も『漫画 サピエンス全史 人類の誕生編』のまとめ記事を書いていきたいと思います。今回のテーマは「認知革命」と「狩猟採集民の精神」という2つを見ていきたいと思います。
私たちが手にした「認知革命」とは?サピエンス(人類)は、物語を創って、人々に信じさせることができるようになったため、協力し合うのが得意になりました。川や木、ライオンやウサギなど、実在する話だけではなく、架空の“ライオン人間”の話をこしらえることができたのです。
これは、特異なコミュニケーション能力を持っている、と言えます。これは、特殊な認知能力、つまりは、創作、記憶や学習、コミュニケーションの能力のおかげなのです。
この認知能力が登場したのは、今から7万年ほど前です。そしてこれを、「認知革命」と呼びます。
サピエンスが、虚構を作る能力を身につけたのは、たまたま遺伝子の変異が起こり、脳の配線が変わったからだと言われています。それから、考え方ががらりと変わり、まったく新しい種類の言語を使ってコミュニケーションがとれるようになったのです。
私たちは二重の現実を生きている?「認知革命」以来、サピエンスは二重の現実を生きています。
一方には、川や樹木や動物など、客観的な現実があり、もう一方には、神々、国家、会社などの想像上の現実があります。言葉を紡いで、想像上の現実を生み出す能力のおかげで、人間は、大勢の他人と協力していけるようになったのです。
そして、時とともに想像上の現実のほうが強力になってきています。いま現代では、川や木々、ライオンやウサギの存続すら、全能の神、合衆国、グーグル、アマゾンなどの想像上の存在のお情けしだいになっているほどなのです。
潜在意識は今も狩猟採集民の世界を生きている現代社会に生きる私たちは、昔の人々より物質的に恵まれています。さらに、長生きもできるようになりました。しかし、昔より疎外感や抑鬱、プレッシャーを感じることも増えています。私たちは、豊かになったはずなのに、それはどうしてでしょうか?
それは、人間の潜在意識は、今も狩猟採集民の世界に生きているからです。
どういうことかと言うと、生物種としての歴史上、人類は、ずっと狩猟採集民だったということです。
私たちは、今となって工場や事務所で働くことは当たり前となっていますが、それより以前の1万年間は、ほとんど農業か牧畜を仕事にしてきたわけです。ですから、いま現代の当たり前は、「ほんの一瞬の出来事」みたいなものなのです。
進化心理学的に見ると、人間の社会的・心理的な特徴は、農耕以前の長い時代に培われてきた部分が大きく、今でも、人類の脳は、狩猟採集生活に適応したままなのです。
つまり、狩猟採集民の精神で、工業化以後の世界に取り組んできた結果として、いま現代の私たちの食習慣、性の葛藤があるのです。
人類の性質や歴史や心理を理解するためには、狩猟採集民だった先祖の身になって考える必要があります。「どうして私たちの問題があるのか」、その理由を理解するためには、人類を形作ってきた狩猟採集民の世界をよく知ることが必要なのです。
いかがでしょうか? 今回は、『漫画 サピエンス全史 人類の誕生編』から、「認知革命」と「狩猟採集民の精神」という2つのテーマをまとめてきました。
認知革命によって、私たちは「みんなで協力する」という大きな力を手に入れましたが、その結果である凄まじい発展は、つい最近起こったことなのですね。私たちの体や潜在意識は、まだ狩猟採集民の世界にいるようです。
ですから、プリミティブな生活というのも、時に必要になるのかもしれませんね。私たちは、何万年も狩猟採集民だった、ということを忘れてはいけないようです。
それでは読んでいただき、ありがとうございました。
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Last updated
2023/05/16 07:30:07 AM
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