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カテゴリ:練馬区
職場の知人には、どういうものか東京メトロの有楽町線沿線の住民が多いのです。それも要町から埼玉方面にかけて多くなるのは当然といえば当然のこと。この界隈の特徴といえば、町を基調するのが住宅なのであって、呑みに行く沿線としてこれほどまでに魅力のない沿線は都内でも指折りと思われます。ところがこの沿線の住民の一人が氷川台駅、あすこだけはちょっと違うよ、古い町並みがあるはずだとほとんど歩いたこともないくせに確信めいたことを語ってみせたりするものだからどうしても行かずには居られないではないか。実を言えばもう随分前に氷川台を舞台に少し甘酸っぱい思い出なんぞあったりするのですが、甘酸っぱさなどこのブログには無縁なのでバッサリと割愛。とにかく当時通ったこの町は確かに商店街なんかがあった記憶があります。
![]() ![]() ![]() 駅を出てみてぼくの記憶などホント当てにならないことがすぐさま確認できたのですが、わざわざ電車賃を支払ってまでして来てしまったのだから少し歩いて酒場探しをせねばならない。と、探すまでもなくそれなりの風情があるお店を見つけました。店の入るビルは新しいようですが、赤提灯と大きな白のこざっぱりした暖簾がなかなか良い感じの「新発田屋」です。店内は都心からほど近い住宅街の呑み屋らしく、限定されたスペースに窮屈に席を詰め込んでいて、それでもそれなりのお客さんが入っているので必然カウンター席に通されます。周りの客の様子を眺めるに近所のご隠居もしくは帰宅前のサラリーマンばかりです。まあそれはそうだろうなあ。でもこういう帰宅を遅らすための呑み方って分からぬてはないけれどどうしてももったいない気がするのです。だったらどことは言えぬまでもぼくならもっとお手軽な酒場で呑むんだけどなあ。あと数分歩けば帰れるところで呑めばまあ確かにタクシーを飛ばす必要もないし、ちょっと歩けば自宅という気安さもあることでしょう。でもそれって奥方の不在の自宅で呑んてるのと少しも変わらないんじゃないか。それはそれで分からぬではないけれど、呑みは旅のようなものと思うぼくにはそれはあまりにも小学生の家出みたいな、あまりにもささやかな現実逃避でしかないように思われるのです。だからどうもここはいい気分になれなかった。 ![]() ![]() ![]() だからもう1軒は行っておきたい。方向的にどう歩いたんだかよく覚えていませんが駅からそうこう歩くこともなくじきに「大衆食堂 若葉」というような看板に出会えるはずです。一軒家のありふれたお店ですがこの辺ではとても味のあるお店に思われます。おばちゃん二人でやっているいかにも食堂らしいお店であることに嬉しくなります。いやいやこれといった渋い何かが誂えられていたり、飾られているわけではない。殺風景な所にこそ味を感じずにはおれないことは、経験として皆さんご存知のはず。ぼくにとっても何気ないこの佇まいと、高齢の女性二人で店をやっているというシチュエーションだけでぐらりと来てしまう。お客さんは当然のように常連ばかりが3名だけ。ぼくの後に入ってこられた方がちらりとこちらを一瞥したのでここは彼の指定席なのか。点々バラバラに腰を下ろしても背中越しに会話を交わしたりもはやこのお店は彼らの第二の茶の間となっているかのようです。独り呑みに気が利いてる酒の肴もあったりして、重宝しそうです。食堂だから贅沢は言えませんがもう少しだけ酒の種類が多ければありがたいのですが、まあこうした店ではビールと清酒さえあれば御の字とすべきなのでしょう。氷川台にもこんなまったりと過ごせる店があってホッとした反動か腰が座ってしまって、帰るのが億劫になるのは困ったものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/07/09 08:59:18 AM
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