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カテゴリ:喫茶店
都営新宿線沿線の喫茶店は、一日乗車券を駆使して何度もトライしているのですが、巡り合わせの悪い事がとにかく多いのです。やはり仕事もあるので行くのが土曜日ばかりというのがその敗因の主たる要因となっていることは薄々気づいているのです。だけど年齢を重ねてますます記憶力の低下が顕著となり、何度も同じことを書いてますが、記憶力の弱さというのは実はひとつの才能であって、例えば同じ喫茶店に来たとしてもそれを初めて訪れたかのような新鮮な体験として受け止めることができるのです。なんて言えば気が利いてそうですが実際そうして再びその店の客となるような店は大抵がガッカリ系のお店なので実害も伴うのでそう脳天気なことばかり言ってもおられぬのです。そんなことはまあどうでもよくて都営新宿線沿線にはぼくの行きそびれている店がホントに多いのであります。相性が悪いとかいう一言では片付けたくない位に空振り続きの店が多くて、もはや素敵な喫茶店に出会いたいなんていう初心などとっくにかなぐり捨てて、復讐戦のような気迫で店を目指すのでありました。
気迫を充填したところで駄目なものは駄目なようてす。浜町の「じゅん」は当たり前のように扉を閉ざしていますし、森下の「コーヒー&洋食 鍵」は店内を恥ずかしげもなく晒していてこれだけ観察できたならもう来るまでもないと悟るべきなんでしょうがそうもいかぬ。「喫茶店 ハヤシヤ」などはもはや閉店してしまったかのような雰囲気すら漂わせ、ぼくのことなどないもののように無視してかかっているみたいです。 でも幸いなことに菊川の「喫茶 セピア」はやっていました。たくさんのお客さんが入っていて写真もありませんが、ここは憧れていたセピア色に覆われたような黄昏の喫茶とは程遠いつい最近開店したばかりのようなこざっぱりしたお店だったのには、まあそんなもんだよなと納得はするけれど、でも店名は実体に見合ったものにして欲しいよなと思わずにおられぬのです。 たまたま見掛けた「憩」はお休みですが、ここもクラシカルなネーミングの割には新しい建物でそれほど興をくすぐられることはありませんでした。 次に入った「喫茶室 MM(エムエム)」は、謎めいた何だかよくわからん店名でありますがずっと喫茶店らしい装いで心を和ませてくれます。特段目立った装飾はなく、開店当初は定番であったであろうオーソドックスな飾り付けはむしろそれが安心感ばかりでなく、1980年代の初旬頃の標準的な喫茶店のモードを留めているようで貴重なものに感じられます。ランチ前の客が引いたひと時をぼんやりと過ごすことができました。 ところで、住吉駅から至近の「COFFEE ルノワール」はそのあまりの近さにも関わらずこれまでどういうわけだか見過ごしていました。住吉では夜の呑みで何度も訪れているので、どう考えても間違いなく店の前を通り過ぎているはずなのにこれは一体どうしたことなのでしょう。実際、灯台下暗しではないけれど、時折こういうお店があるのですね。夜になると姿をくらまし、朝になると忽然と姿を見せるようなお店が。これは逆のパターンもあって、まあ看板でしかそこがお店とは認識できない場合、その有無によりその存在が認知されたり、単なる民家と変り果てたりという程度の理由でしかないのですが、ここはどう見ても立派な構えをしているので、どうも店のオーラがまるで感じられないというのが見逃していた理由のようなのです。大体、この時も店の前を一度は素通りしていて、道路を渡った際に道の向こう側からはじめて認知できたほどなのだからそのうっかり振りも大変なものです。店内は重厚とまでは言わぬまでも正統派のシックな内装で、これほどに素敵な店に偶然とはいえ出逢えるとはやはり町は丹念に歩いてみるものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/07/31 07:48:16 AM
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