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カテゴリ:家呑み
昔、とあるレシピを見ていてびっくりしたことがあります。今にしてみるとそんな些細なことに驚けていた自分の初心さが恥ずかしくもあり羨ましくもあるのです。いったい何にびっくりしたかというと料理にビールを使うことです。日本酒、紹興酒、ワイン、場合によってはブランデーなんかが料理に使われることは知っていたし、知っていたからこそレシピにそれが記載されていても少しも奇異に感じなかったのです。でも先般も書いたようにウォッカを料理に使うとなると話は違ってきます。やはり驚きを禁じ得ませんでした。沖縄料理とかで焼酎を使うのにも驚いたことがありますが、酒、いやもっと端的にアルコールを料理に用いるのは味や風味に及ぼす効果のみを期待しているわけではないのですね。そう思ってみると様々な酒類が料理に使われたって不思議じゃないわけだ。昔初心だった頃の僕がビールを料理に使うと知って驚いたけれど、それを最近知ったとしたら当時ほどに驚けただろうか。きっとへえそうなんだっていう程度のリアクションになったような気がします。ということでビールを使ったレシピ3種を作って食べてみました。ちなみにビールを料理に使うことに驚いたのは、貧乏根性からではありません。って言いながら随分前に賞味期限切れのビールをもらったのでそれを使ったんですけどね。
子供の頃にNHKの「きょうの料理」だったかなあで見たのがオニオングラタンスープでした。その頃、見様見真似で作ったことを思い出します。衝撃的な美味しさに定番化するかと思いきや、なぜかそうはなりませんでした。スープは酒の肴として適当ではないという思い込みが長く続いたからです。今ではスープもぼくにとっては立派に酒の肴となりえます。ということでふるさと納税で頼んでいた玉ねぎが大量に届いたのでその消費と古いビールを入手したことが重なったのでご無沙汰ぶりに作ることにしたのでした。ところでオニオングラタンスープってどこの料理なんでしょう。料理の印象はフランスですが、ビールを使うセンスはアメリカのものかなあと漠然と思っていましたが、Wikipediaのオニオンスープの説明によると「フランスのスーパ・ロニョン・グラティネが最も有名である。他にはドイツのツヴィーベルズッペ、イタリアのズッパ・ディ・チポッレ・アル・フォルノ、カラバッチャなど」だそうで、オニオングラタンスープというわれわれが良く見知ったものは日本で改良された料理なのかもしれません。 【材料】 玉ねぎ(薄切り) 2個/バゲット(トースト) 4枚/グリュイエールチーズ 100g/にんにく・小麦粉 小さじ1/2/ビール 1/3カップ/水 4カップ/固形ビーフスープの素 2個/バター 大さじ1/サラダ油 大さじ2/塩・胡椒 適宜 【作り方】 1. 鍋にバター、サラダ油を熱してにんにくを炒める。玉ねぎを加えて茶色くなるまで炒める。小麦粉を加える。ビールを加える。水を加える。固形ビーフスープの素を加えて弱火で20分煮る。塩、胡椒する。 2. 耐熱容器に1.を注いでバゲットを浮かべる。グリュイエールチーズをのせる。オーブンで250℃5分焼く。 いやあ、美味しいですねえ。このシンプルな食材でこれほどの満足感が得られるとは実によくできたレシピです。でもレシピ上はビールの使用量が少なくて残ったビールはどうするんでしょうねえ。やっぱり呑んじゃうしかないのかなあ。ぼくは他の2品に使い回ししましたが、酒の種類によっては(例えばシャンパンやシードルとか)使うか呑み切らないとならないものも少なくないだろうけど、皆さんどうしてるんでしょう。ともかくこのスープは絶品で酒が進みます。今度こそ定番化しそうです。 続いては、エクアドルのポークシチューのレシピです。フランス料理にも牛ほほ肉のビール煮込みなんてレシピがありますが、肉とビールの相性は良さそうです。で、大概の場合、材料がシンプルなんですね。ビールを使った料理は一流のレストランで提供されるような料理というよりは家庭料理で用いられるものなのかもしれません。 【材料】 ラード 大さじ1/豚塊肉(3cm角) 500g/玉ねぎ(みじん切り) 1個/にんにく 1片/トマト水煮 1缶/赤ピーマン(みじん切り) 1個/カイエンペッパー 小さじ1/固形ブイヨン 1個/パクチー 適宜/クミンパウダー・オレガノ 小さじ1/2/水 100ml/塩・胡椒・砂糖 適宜/ビール 100ml 【作り方】 1. 鍋にラードを熱して豚肉を焼いて取り出す。にんにく、玉ねぎを加えて炒める。トマト水煮、赤ピーマン、クミン、オレガノ、カイエンペッパー、水を加えて蓋をして弱火で10分煮る。 2. 1.、ビール、固形ブイヨンを加えて蓋をして弱火で2時間煮込み、塩・胡椒と砂糖で味を調える。 3. 皿に盛り、パクチーを散らす。" うん。これもビールの苦味がほんのり感じられるようで美味しいですねえ。話は戻りますが、このシンプルな材料と手順から考えるともしかすると世間のパパさんたちが休みの日に料理するのに向いたレシピなのかもしれません。で、残ったビールは料理しながら呑んじゃうと。確かにこの2品は手間はさほど掛からないけれど、時間はそれなりに要するからちょっと一杯引っ掛けながらというのに向いている気がします。 それに比べるとイギリスのパン料理、ウェルシュ レアビットは朝食向きのメニューですね。レシピを見るだけで栄養面に配慮が感じられぬ何ともワイルドなものです。きっと本場のものはもっとチェダーチーズが大漁でドロッドロしてるんだろうなあ。朝からこんなハイカロリーな料理を食べるのは今回限りにしておこうかな。 【材料】 食パン(トースト) 1枚/チェダーチーズ・ビール・牛乳・バター・ウスターソース・マスタード・ガーリックパウダー・パプリカパウダー・塩・胡椒・ドライパセリ 適宜 【作り方】 1. 鍋にパン以外の材料を入れて加熱する。パンにかける。 う~ん、悪くはないですが、想像通りですね。この場合のビールは前夜の吞み残しってことになるのかなあ。でもこれを作るためにあえてビールを残すなんてことをするのはなあ。ぼくはきっとしないだろうな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022/09/06 08:30:08 AM
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