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カテゴリ:計量と計測を考察する「計量エッセー」
計測値で語られる諸因果の受け止め方
松本市の街路に咲くベコニアの花。6月2日撮影。 (タイトル) 計測値で語られる諸因果の受け止め方 (本文) 二酸化炭素の排出量規制をした京都議定書のための会議が京都であった。パリ協定で同じ内容のことが決められている。二酸化炭素排出量の増大が地球気象に大きく影響していることが確定した事実であるように思わせる。アメリカはこの枠組みからはみだしている。中国も同じだ。アメリカと中国の二酸化炭素大量排出と地球気象をどのように理解しているか不明である。 米大統領に僅差でなり損ねたゴアは不都合な真実ということで地球温暖化の原因が二酸化炭素の大量排出にあることを主張した。日本政府は二酸化炭素排出削減のために公的組織をつくっていて、この組織は地球温暖化は二酸化炭素の大量排出によることを舌足らずな論理で頑迷に主張する。真実がどこにあるのか見えにくい。 政府組織の地球環境研究センター 副センター長の江守正多氏は「温暖化をテーマにしている科学論文の97%は、人間活動によるCO2増加が温暖化の主な原因であることを前提にしています。CO2の増加が原因ではないという3%の論文」と述べ、ほか幾つかの言葉を添えてこの100年ほどの間の大気温度の上昇を二酸化炭素の大量排出によるものと結論付ける。こうした主張を地方公共団体と連携して国立環境研究所出前教室「地球温暖化とわたしたちの将来」という内容で実施する。地球温暖化二酸化炭素大量排出原因の世論造成だ。 東京電力はじめ電力会社は地球温暖化二酸化炭素大量排出原因説に立って原子力発電を推進してきた。原子力発電はウランを掘り出し精製して燃やすまでに大量の二酸化炭素を排出する。核廃棄物のお守りは半永久的であるからこのために費やすエネルギー消費はそのまま二酸化炭素の排出となる。原子力発電は国の方針であるから電力会社はどのような詭弁を使ってでも原子力発電をする。ウランを燃やしてプルトニウムを取り出してこれを精製して核爆弾をつくることが公然とした目的である。いつでも核爆弾をつくれるようにしておくことが国の軍事戦略になっているのだ。発電費用は原発が一番高いことも判明している。 原子炉設計者と施工技術者が言う。原子炉圧力容器には何千本という高圧パイプが張り巡らされていて、それが老朽化している。大きな地震がおこると破断する。破断したときに噴き出す水はコンクリートのようだ。原子炉の運転を単純な原理として考えれば大したことはない。しかし原子炉圧力容器の中に張り巡らされた高圧パイプは高濃度放射線下にあって実質上は管理不能であるという。柏崎刈羽原子力発電所は中越地震で原子炉内の高圧パイプが破断した。 日本の発電量は原子力発電を必要としない状態を確保している。民間の大規模事業所は自前の発電所を備えている。原発事故以後に再稼働したり新規に設備された発電をまとめると原子力発電所がそっくりそのまま余った状況にある。太陽光発電は畑を電気畑に切り替え、山林を電気山とするに至っている。原発の発電量は要らない。原発による二酸化炭素の排出抑制と発電量の不足を補うという理屈は完全に崩壊した。 ビールを温めたら二酸化炭素はすぐに抜け出す。海にある二酸化炭素は地球が温まったか大気が温まったかすると抜け出して大気に移る。大気温度が高まるのにつれて二酸化炭素が大気中に増える。原因と結果が逆になる。このことを元京都大学大学原子炉実験所の小出裕章氏が述べる。 アメリカや中国が二酸化炭素の排出の国際協定を拒否している。日本の人々は地球温暖化二酸化炭素大量排出原因説を信じている。どちらの説に立つにしても日本人は暖房を控え電気を消して小さなエネルギーで生きる生活を選択していくのがよい。小出裕章氏は退職後は仙人になるといって松本市に居住する。原発の専門家として講演に引っ張り出される日々を送るのだから小出氏には本望なのか皮肉なのかわからない。 大気の0.04%ほどの成分のCO2が大気温度に及ぼす影響はどのようなのか。このことをめぐってCO2増加が温暖化の主な原因説に立って仕立てられる論文が97%だという。この論拠に怪しさがある。 過去1000年間の地球の平均気温を樹木の年輪などから割り出すと1000年から1900年までは気温はほぼ一定であるが20世紀になって急に気温は上昇しているというマンのホッケー・スティック図は偽装されたことが明るみになっている。IPCC(気候変動に関する政府間パネル、英語:Intergovernmental Panel on Climate Change、略称:IPCC、本部はスイス・ジュネーヴ)は、マンのホッケー・スティック図を受け入れている。IPCCは気候変動問題に関する活動によって2007年にノーベル平和賞を受けている。小出裕章氏らはIPCCは原発推進派に利用されていることを指摘する。 デンマークの宇宙物理学者ヘンリク・スベンスマルク氏は太陽系が太陽系が属する銀河を運行中に恒星が密集する星雲を通過するときに大量の宇宙線が注ぎ込んで雲を発生させることによって地球の大気温度が変化すると説く。地球温暖化の主因は二酸化炭素でない論拠だ。 計測がなしえることには限界がある。あれこれの幾つかの計測結果を混ぜ合わせればある種の結論を導くことができる。単純な論理として形が整っていても必要にして十分な条件をそろえているかという観点で検証すると疑問がある結論になる。 太陽と地球の銀河系の運行にともなう宇宙線の影響、地球の公転軌道の周期的な変動、自転軸の歳差運動がもたらす太陽との角度の変動、地球の火山噴火など活動の影響ほか様々な要因で地球は大気温度が変わる。太陽の黒点の増減に現れる太陽活動の変動とテムズ川の氷結が因果律として確認されている。中世温暖期にはグリーンランドで農耕が行われ、小氷期 にはテムズ川が凍った。身近な事例を取り上げると北アルプス立山連峰における氷河跡の山崎カールがある。茨城県の中域における貝塚は大気温度の高まりの結果としての縄文海進期を示す。 計測した数値やある種の数字が「ああすればこうなる」という論理構成によって本当らしく語る策術がある。大気温度の上がり下がりと諸因果が計測数値をともなって語られる事柄には慎重であるのがよい。 2019-06-17-causal-causes-described-in-measured-values-article-editorial- (不適切な表現などについてはご容赦ください) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年06月17日 13時14分20秒
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