5人に1人が70歳以上
樹木希林さんが亡くなったニュースが流れた今日、日本の社会にとって重大なことを伝える記事を読んだ。だが、今ひとつピンと来ない数値なので、日本の人口に占める割合をきちんと計算することにした。日本人の平均寿命は男性がほぼ81歳、女性がおよそ87.3歳である。極めて乱暴な計算だが、足して2で割ると84.15歳となる。年齢別人口が均等に分布しているのなら、16.8歳ごとに20%ずつ存在するから、①0~16歳、②17~33歳、③34~50歳、④51~67歳、⑤68~84歳がそれぞれ20%ずついることになる。だが、こう区切ってみると、70歳以上が20%いてもそれほど不自然ではないように感じてしまう。そこで、各年齢層の平成28年度の人口を並べてみた。すると、①1,816万 ②2,197万 ③3,002万 ④2,827万 ⑤2,852万 であることがわかった。これを見ても、やはりあまり不自然には感じない。しかも、⑤には85歳以上の520万人も含まれているので、実際に84歳までで切ると2,332万である。85歳以上の高齢者が⑤に加勢し、全体のバランスを取っているようにも見えてしまう。こう考えると、問題なのは高齢化ではなくやはり少子化だということがはっきりわかる。10年後に生産人口の中心となる②と、20年後以降にそうなる①が何とも少ない。生まれる子どもの数が1年にあと40万人くらい増えてくれなければ、いわゆる少子化状態が長く続くわけだ。もっとも、少子高齢社会と呼ばれるのはせいぜいあと50年である。ロートル組がすっかりいなくなる半世紀後にはどの層も2,000万前後でバランスするはずだ。仮に今よりも少子化が進むのなら、各層1,600万前後で、総人口8,000万人という日本が将来には登場するかもしれない。だがそれは、今の若者が選ぶ道なのだから、残念ながら我々の知ったことではない。自分達の幸福を追い求めるか、家族を持って子どもを2人以上産むことを幸福と考えるか。我々は「こうあってほしい」と願うことはできるが、強引にその方向へ向けることはできない。未来の日本は、若者達が自分で造り上げるしかないのである。