「風の男 白洲次郎」
青柳恵介1997/11 新潮社 単行本 235p 文庫本 2000/08 新潮文庫 私家版1990
Vol.2 No.0225 ★★☆☆☆
なんの準備もないまま、クルマつながりで白洲次郎を読むことになってしまったので、数ある白洲本の中でも、読み進める順番をすこし間違っているかもしれない。
この本は1985年に白洲次郎が亡くなった一年後に旧友たちによって発案され、妻・白洲正子の依頼によって著者がまとめ1990年に発行された本なので、これから以降発行された白洲の伝記もののネタ本となっているようだ。順番としては、こちらから読むべきだったかもしれない。
しかしまぁ、この本の中では、白洲の政治的立場やその活動、あるいは経済人としての実績などに焦点が当たっていて、どちらかというと、まとも過ぎておもしろさが欠けるようだ。
白洲の魅力はもっともっと、私みたいなミーハーをも巻き込む、不思議な魅力がある。あまり、政治や経済的な仔細にこだわるより、獏とした存在としての白洲と遊んでいるほうが、面白そう。
他の本とエピソードなどが重なるが、身内が作った本なのだから、こちらこそが底本となるか。