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本の森で呑んだくれ、活字の海で酔っ払い

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2020.07.24
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〇「お母さん、絶対なんて嘘だった」

「絶対」という言葉がキーワードになっていた。患者に「絶対」という言葉は使うべきではない、というのは一般論としては正しいしこれまで自分も患者さんに対して「絶対」という言葉は使ったことはないと思う。科学者としては「絶対」という言葉はつかえないが、人間として患者さんにプラスとなるなら使うべき言葉ではないかと思う。嘘だったという「絶対」という言葉を使った相手が菜々子だったのか婚約者だったのかは分からない。医者が患者さんに対して「絶対」という言葉を使うにはかなり勇気と決心が必要だ。「絶対」という言葉を使う医師はそれだけの勇気と決心があるのだと思う。



2020.7.19読了


・主人公は、大学病院を辞めて東京都の西の端にある玉手市にある兄の病院に勤務し始めた内科医の葉村菜々子。地元の同級生に依頼されて市民会館の舞台に立つ訳あり出演者のメディカルサポートをすることになった。6つの短篇集。

「赤黒上げて、白とらない」

大腿骨頸部骨折で緊急入院した患者がじつは末期がんであることが判明する。お笑い芸人である患者は最期のステージに立つことを希望し、院長である兄の反対を押し切ってステージをサポートする決意をした。

「屋根まで飛んで」

白血病治療中の少年、薬の副作用で白血球減少があるにも関わらず主治医の指示を無視してまでピアノの発表会出演にこだわる彼の真意は?実は夢をかなえるために離れ離れになって外国に行くピアニストの母親を励ますためだった。これはちょっと泣けた。ここでも病院長である兄の反対を押し切ってサポートに当たった。

「転ばぬ先の杖の、その先に」

 歩行障害のある玩具メーカーの女性社長が自立歩行で壇上であいさつをしたいと希望、サポートを約束してリハビリをするが・・・副社長である息子と専務との経営方針の対立もあって問題も複雑化してしまう。

〇「何を言うんですか! リハビリテーションというものは、すべての患者にとって社会復帰の第1歩なんですよ」●えっ!お兄さんも菜々子先生と同じ立場に?

「春歌う」

 ロックから演歌の世界に転身した彼は繊細で実はナイスな奴だった。

「届けたい音がある」

 和太鼓がテーマ、みんな恒例で慢性疾患の持病持ちだ

「風呂出て、詩へ寝る」

 「第九」を歌う合唱団の高名な指揮者が実はアル中だった。菜々子が病院勤務時に自殺してしまった受け持ち患者の母親が合唱団の中にいた。サポート医としての関りをメンバーから拒否されて合唱団員として参加する。

・医師として仕事をしながら医療小説を書く著者の3作目はステージドクターという新分野。楽しみにしていたのだが、ちょっと軽すぎかなという印象で物足りなかったなというのが正直な感想。もうひとひねり欲しかったなというのは無理なお願いなのかなあ・・・

南杏子さんの本
「サイレント・ブレス」​​​
「ディア・ペイシャント」






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Last updated  2020.07.24 17:22:08
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