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本の森で呑んだくれ、活字の海で酔っ払い

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2020.07.28
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テーマ:お勧めの本(7219)
​​・初読みの作家さんの作品。認知症を患った人の安楽死を扱った小説であると知って仕事関係だし読むべきかな、というかどんな本なのかなと楽しみにして予約し、待ちに待ってやっと手元にやってきた図書館本。
・小説でありフィクションとしてはそれなりに面白くもあったが、そのまま受け入れてはならない、意見を発信しなくてはいけないだろうと思ってしまう作品だった。ジャンルは違うが同じテーマの小説としては「長いお別れ/中島京子」や​「エリザベスの友達/村田喜代子」​のような視点の小説に共感と希望を感じる。

2020.7.25読了

・読んでいる最中に、まさかのALS患者さんに対する嘱託殺人疑いで2人の医師が逮捕されたとのニュースを聞いて驚いた。このニュースを聞いておそらく2つの反応があるのではないかと思う。「殺人は許されない」vs「人には自ら死を選択する権利がある」

・同じく安楽死をテーマにしたミステリーの​「ドクター・デスの遺産/中山七里」​で感じた違和感、医療の範囲である「終末期医療」「緩和医療」「尊厳死」と、「安楽死」との絶対的な違いについての混同はかなり解消されていると思うが、やはり納得しきれないなと思う。

・楡さんは決して現状を肯定するのではなく、問題提起しているのだろうと思う。

・自分が認知症になって、家族の顔も分からなくなったり、大便をもてあそんだり、卑猥な行為をするようになるかもしれないという恐怖はあるが・・・
・だから死んだほうがいいというのは違うと思う。医師としては理想論であるが、そうなっても幸せに生きていける社会を作るべきだという立場でありつつも、やむを得ないという認識で現状を受け入れて一緒に苦み悩んで解決策を考えていく立場に立つべきだと思っている。
・親が急にボケて異常行動を起こしだしたら・・・自分がボケて異常行動を起こしだしたら・・・妻がボケて・・・しかし原則は変わらないはず。

・ACP(人生会議)が大切だということが広まって欲しいなと思う昨今、一定の問題提起になる作品だとは思うが、認知症になると判断力のない廃人になってしまうというストーリーは一面的すぎて危険ではないかと考える。

・家族にまつわる介護や経済負担、遺産相続については不愉快になるほどリアルすぎたけど現実問題としてはあるのだろう。しかし、私たち医療介護従事者の立場はあくまでも患者さん本人の希望を叶えることだという基本は忘れたくないのだ。

〇「乖離というともうひとつあるでしょうね」「患者本人が、こうなってまで生きたくはないと思ってても、家族は一日でも長く生きて欲しい。そう願うことですよ」
〇「大切な人には一日でも長く生きて欲しいと誰もが思う。だけど、自分が介護される側になったらどうなんだろう。介護されて当たり前と思う人間はいないだろうし、むしろ、家族に負担はかけたくない。一日も早く死なせてくれ。そう思うんじゃないのかって・・・

・認知症になってもその人の尊厳が守られて生きていける社会や環境を作ろうという立場のものとしては受け入れがたい、受け入れてはいけない作品だと感じた。





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Last updated  2020.07.29 21:42:51
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