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カテゴリ:岡本綺堂
世界怪談名作集(上) (著者:岡本綺堂|出版社:河出文庫) 岡本綺堂編・訳による怪談集。 怪談とは言っても、、幽霊話とは限らない。 怪異譚もあればSFに近いようなのもある。 「貸家」リットン 幽霊の登場する話なのだが、登場人物が妙に論理的・化学的に割り切って解決してしまうのに驚いた。 「スペードの女王」プーシキン これは子供の時に、子供向けの本で読んだ。 しかし、ちゃんとした翻訳で読むと、社交界の人々の生態を描いた小説でもあったことがわかる。 「妖物《ダムドシング》」ビヤース 怪異譚。結局謎は謎のまま。アメリカ開拓期には、こんな話はよくあったのかもしれない。 「クラリモンド」ゴーチェ 怪談ではあるが、愛を描いた小説である。 「信号手」ディッケンズ これもほかの本で読んだことがある。しかし、結局何が起こったのかはわからないのだ。 信号手だけが理解できたのだろうか。 これは、鉄道普及にともなって広く語られた話がもとになっているのではないか、という気がする。 たとえば日本でも、狸や狐が汽車に化ける話が各地にある。 イギリス人も、鉄道に何か危険なものを感じ、信号手の謎の死という話を作り出したのではないだろうか。 「ヴィール夫人の亡霊」デフォー 恐怖はない。ただ、女性の亡霊が、親友の前に現れ、その親友がそのことを人に語って聞かせている、というだけの話。 山場も何もない話だが、細部まで描かれており、実話なのか創作なのかわからない。 「ラッパチーニの娘」ホーソーン 古典SFとでも言うべき小説。 毒草に囲まれ、その吐く息までもが毒を持つようになった娘と主人公の恋。 SFでも、昔の、科学万能のお気楽SFであれば、めでたしめでたしとなるのだろうが、そうはならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.04.01 21:28:37
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