今は漁師として生きている、特攻隊の生き残りの主人公(高倉健)。昭和がおわり、かつての特攻隊の仲間(井川比佐志)が雪山で遭難死する。
その二つを結びつけようとすれば結びつけられるし、無関係といえば無関係。
主人公と病身の妻(田中裕子)に子はなく、穏やかに暮らしている。
出撃基地のあった知覧の母として知られる女性をモデルにした女性(奈良岡朋子)との現在の交流や、白黒で描かれる戦争末期の様子によって特攻隊の物語であることが正面に出てはいるのだが、高倉健ばかりが印象に残る。
反戦映画といえば反戦映画だが、若者を死に追いやった連中に対する批判は背後にあるものの、特攻隊を貶めているわけではない。
映画は映画だ。