カテゴリ:もったいない学会
「もったいない学会」では、
原発や自然エネルギーについてどのように考えているかが分かる論説です。 全てを「エネルギー収支比(EPR)」という物差しで比較し、 これが大きいエネルギー源なり経済活動なりが 存続可能だというお話です。 石油のエネルギー源としてのEPRの大きさ、 また資源としての汎用性の高さに勝るものはない。 要するに、原子力は再処理の見込みが全く立たない、 あるいは何万年も管理し続けないといけない核廃棄物が溜まり続ける限り、 EPRは低い。 そして、一旦事故が起これば、国土を失う。 原子力は圧倒的な威力を持つ核兵器としての利用以外は役に?立たないものだ。 一方、自然エネルギーはどうか? 一時のバブルならともかく、 持続的な経済成長など望むべくもない(望んではいけない)。 結果的には石油などの非再生可能な資源を無駄に使う可能性が高い。 この石油の生産のピークは2006年だった、今後は年率4~5%で減耗する。 そして、需要に供給が追いつかなくなるのが2015年といわれている。 その後は・・・はっきりいうと厳しいのです。 次回は将来的にはどのような世界が待っているか、 どのように対処すべきか、 考えてみたい、と思う。 http://mainichi.jp/select/opinion/ushioda/ ーー引用開始ーー 水説:ウサギ狩りの効率=潮田道夫 <sui-setsu> 「ウサギの限界則」というのをご存じ? フォルケ・ギュンターというスウェーデンの環境学者の造語である。 この世に人間とウサギしかいないとする。あなたはウサギを食料とするほかない。だが、追いかけ回して疲労困憊(こんぱい)したのでは、ウサギを捕まえても、その肉から得られるカロリーでは栄養が足りず命をつないでいけない。 ウサギ捕りに投資するエネルギーは、ウサギを食って得られるエネルギー未満でないといけない。それが生死を分ける。エネルギーの回収効率の重要性を教えている。 しかし、ウラ技があるのですね。石油を燃料にバギーカーでウサギを追えば、楽に捕獲できる。自分の体力を消耗せずに済み、エネルギーの損得でおつりがくる。 現代の文明がここまで栄えているのは、その「おつり」が大きいからだ。原子力が石油を上回るかに見えたが、おつりどころか借金の山を作ったのはご存じのとおり。石油などの化石燃料ほどエネルギーの質が高いものはない。 石井吉徳東大名誉教授によれば「エネルギーは質がすべて」だ。海水中には莫大(ばくだい)なウラニウムが存在するが拡散しており利用できない。つまり「質が悪い」エネルギーは存在しないも同然なのだ。 話を急ごう。菅直人首相が太陽光発電に熱心で、屋根という屋根に可能なかぎり太陽光パネルを載せたいという。これで発電の難しくなった原発を補おうというわけだ。 太陽光発電のエネルギーとしての質はどうか。エネルギー収支比(EPR)という数字で判定する。1単位のエネルギーで3単位のエネルギーが得られればEPRは3。1以下だとウサギの限界則で分かるようにやるだけムダ。 太陽光発電のEPRは5ぐらいで質はさほどでないといわれてきたが、推進派は最新型は10とか20に向上しているという。どれが正しいのか分からないので困惑する。 しかし、はっきりしているのは、現状では補助金なしでは立ちゆかないエネルギーであるということだ。それを考えれば天然ガスや石炭に比べ「質の悪いエネルギー」と言わざるをえない。 原発の比重低下で電力料金が上がり、工場が大挙海外移転しかねない情勢だ。だから再生可能エネルギーを増やそうと言う。それも一案だが、エネルギーの「質」が軽視されているのが解せない。原発の穴埋めは化石エネルギーが主役たらざるをえない。 考えてもごらんなさい。太陽光エネルギーのバギーカーでウサギが捕れますか? 私はディーゼルエンジン搭載車に乗る。(専門編集委員) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/06/16 12:40:03 AM
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