虫歯が微生物腐食の一形態ではないか?と思って、
歯牙の電気化学的性質を調べてみると、歯牙には電気の伝導性があり、イオン化傾向を測定することができた。
さらに、歯牙は電気化学的方法により溶解することを確認した。
これらの研究結果から、少なくとも虫歯は電気化学的な腐食であることが明らかになった。
またこれ以外の傍証からも、虫歯は電気化学的な金属腐食の一分野である微生物腐食の可能性が非常に高い。
http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/?ctgy=23
さて、金属腐食学分野では微生物腐食をどのように定義されているかというと、
「異常に速い腐食が局所的に起こり、腐食孔が形成され(孔食:pitting corrosion)、従来から知られている孔食の原因、例えば電食(迷走電流による腐食)や物理化学的な理由で作りだされる酸素濃淡電池等では説明がつかない場合に微生物腐食が疑われてきました。」ということらしく、その全体像の解明はまだまだこれからだという。
ともあれ微生物腐食は金属腐食の問題として古くから研究されてきたようで、
嫌気性細菌である硫酸塩還元菌の存在はすでに1934年には知られていたらしい。
その他にもメタン生成古細菌、ヨウ素酸化細菌、好気性菌にもその存在が知られている。
なぜ虫歯が微生物腐食の一種だということに歯科界が気が付かなかったかは不明だが、今後の研究に期待する。
とりあえず、以下のサイトに詳しいので、隅々までご参照いただきたい。
虫歯の原因究明、虫歯予防方法の探求におおいに参考になると思う。
http://www.bio.nite.go.jp/nbdc/mic2009/index.html
【1】微生物腐食と思われる事例(ヨード回収施設のパイプ)
微生物腐食とは、微生物の直接的あるいは間接的な影響によって金属材料が激しい腐食を受ける現象のことを言います。1934年にVon Wolzogen KuhrとVon der Vlutによって嫌気的環境下で硫酸塩還元菌(sulfate-reducing bacteria, SRB)が微生物腐食を引き起こす可能性が報告されて以来、一般的には、硫酸塩還元菌が微生物腐食の主な原因菌と考えられてきました。しかし、硫酸塩還元菌は必ずしも微生物腐食を引き起こすわけではなく(引用文献1)、また、硫酸塩還元菌以外にも微生物腐食を引き起こす微生物は多数存在すると考えられています(後述)。
微生物腐食であるか否かを判定する客観的方法は今まで存在しませんでした。
そのため、
異常に速い腐食が局所的に起こり、腐食孔が形成され(孔食:pitting corrosion)、従来から知られている孔食の原因、例えば電食(迷走電流による腐食)や物理化学的な理由で作りだされる酸素濃淡電池等では説明がつかない場合に微生物腐食が疑われてきました。