いつもの20代女性、左上6、隣接面カリエス、自発痛+
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咬合性外傷による虫歯だと思うが、原型を留めている最後の6番だ。
このCR充填は続けて2回している。1回目の数日後に痛くなったとかで1週間後に2回目をした。その後は来ないので痛くは無くなったのだろう。
通常診断では痛みが出ている歯の神経は不可逆性の歯髄炎と言って、
歯髄を保存することはできないとされているので、
ほとんどの歯科医師は何も考えずに麻酔をして神経を取る作業に入る。
しかし本当はそうではなく、天蓋を落とすと壊死した歯髄は溶けているので水流で飛ばすだけで壊死していない歯髄が残る。
その上に3MIX+α-TCPを直覆すればよい。
今回は1回目の治療では露髄は認められなかったのでそのまま3MIX+α-TCPで覆罩(ふくとう)してCR充填したのだが、数日後には痛みが出て眠れないほどだったという。
2回目に開けたらバーが歯髄に当たった時に痛みで一瞬のけぞっていたので(歯髄は生きていることを確認した、麻酔は使っていない)、出血を確認し(壊死部分が残っていないこと)止血後再充填した。
露髄部分は2箇所ある。
1回目の治療から
2回目の治療
露髄部分は2箇所ある
神経を残す治療はできないことはないが誰もやらない最大の理由は診療報酬の問題だろう。
小1時間かかって保険診療では3000円程しか支払われない。助手の時給と材料費を除くとボランティアになる。これは50年以上も保険診療報酬が据え置かれているからで、国際標準の1/10以下となっている。
これでは誰もしないだろう。
では自費でやれば良いだろうと思われるが、それで歯科医院が成り立つ程の多くの患者はいない。
やはり神経を取ってセラミックスの冠を勧める方が儲かる。