80代女性、右上6、咬合性外傷
半年ぶりに歯茎が腫れて痛いということで来院された。
10年程補強連冠を入れて凌いでいたが、とうとう限界がきたようだ。
左上67は以前から欠損していたので、この歯に負担がかかる。
歯槽骨が失われて抜けそうになっている。歯髄は失活しているようだ。一般には根尖側から細菌感染により歯髄が失活すると信じられているが、実際は冠部歯髄の壊死が先に起こる。
もう歯根を支える歯槽骨はなくなっているので、もうすでに抜けていると言うか、抜歯するしかないと思う。連結を解くだけで自然脱落する。
いきなり抜くのもどうかと思うので、近未来の根管治療法で延命処置をすることにした。
天蓋を除去して超音波スケーラーの#15エンドチップで根管を探しながら洗浄する。2本の根幹が見つかったが、根尖は閉じている。無理して根尖を確保する必要はない。エンドチップが届く範囲でよい。
1次α-TCP(精製水練り)+3MIX
綿球で水分を押さえる
2次α-TCP(50%クエン酸水練り)+3MIX
CR充填。バイトダウンした。