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I歯科医院の高楊枝通信。

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2024/07/09
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カテゴリ:外傷性咬合
40代男性、右下7、アンキローシス(骨性癒着)、吸収

前回のつづき

https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202407080001/

今日は2年前の処置後と今回の処置前のレントゲン画像の比較の予定だ。
この2年余りの間に歯根吸収がどのように起こっているかの分析をしてみたい。

一般に​アンキローシス(癒着)や歯根吸収(吸収)​は矯正治療のトラブルとして問題になることが多い。
歯列矯正治療時に歯を動かす時に強い矯正力を掛けすぎたり、頻繁に調整を繰り返して歯根膜に負担をかけすぎた時に起こる。
同じように、食いしばり(咬合性外傷)し過ぎて歯根膜に負担をかけ過ぎた時にも起こると考えても良い。

リンク先​を辿っていくとある程度理解が進むと思うが、歯列矯正時には動かす方向の歯根膜が圧迫されそれに接した歯槽骨が免疫細胞のマクロファージ系の破骨細胞により吸収され、反対側の歯槽骨は骨芽細胞により骨が添加され徐々に歯は動いていく。歯列矯正はこれらの現象を上手く利用している。しかし矯正力を掛けすぎると歯根が吸収されたり、歯根膜が破壊され癒着が起こったりする。要するに適度な矯正力をかけ、調整は頻繁にしない方が良いということだ。

咬合性外傷の場合も同じことが起こると考えても良いと思う。強すぎる咬合力が常時かかるということは癒着や吸収というトラブルを招く。

以下のbefore/afterの画像を見比べながら読み進めてほしい。

before
数字を振った場所の説明をしておく
1、CR部分、白く見える部分で、歯ではなく僕が作った人工物
2、歯根もしくは骨部分
3、歯根だが、この後吸収が起こり消失した部分
4、吸収を受けていない歯根。しかし2年後にはアンキローシス(癒着)が一段と進み骨と歯根の境界は消失している


after
3、の黒い部分の歯根または骨は吸収されて消失している。この部分は​肉芽組織​と呼ばれる軟組織なので咬合力の支えにはならない。ただ補強線を外してこのCR部分を触ってみた感じでは動揺度は1.5程で強く引っ張れば抜けるかもしれないが、正常な歯根膜組織はないので吸収する一方で、止めることはもちろん、骨が再形成される望みがないとは言え、今すぐに抜いて捨ててしまうほどではないように思った。ここには結合組織もあるので、2〜4の間をある程度の結合力で繋いでいるのかもしれない。完全ではないが一種の歯根膜ような役目をなしているのかもしれない。

結局、今回はこの方が元々持っている強い咬合力に耐えるのは難しいとしても、次の一手が打てることに期待して捨ててしまうのは先送りし保存する方向で処置を始めた。それは次回。たぶん最終回。


つづく









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Last updated  2024/07/10 08:46:25 AM
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