こんにちは。根室振興局地域政策課のヒストリー・ハンター(仮)裕です。隔週ペースで根室管内の遺跡・遺産をご紹介します。
古くから漁場として栄えた根室管内は色々な人達が暮らしてきました。その足跡は様々な場所で、いろんな形で残っています。古代から近代までねむろの歴史とともに、地域の話題を簡単にお伝えしていきたいと思います。
わたしと一緒にちょっと昔に想いを馳せてみませんか?
先日、休みの日の早くに目がさめました。そこで、近くにある明治公園にちょっと散歩に出かけてみました。
明治公園からの暁光
今回は、明治公園から開拓の歴史をお伝えいたします。
明治公園の片隅には、「開拓使根室牧畜場跡」と書かれた標柱があります。
明治公園の標柱
「開拓使」は北海道の開拓を目的に明治2年(西暦1869年)に設立された機関です。鍋島直正を長官に、開拓判官として松浦武四郎も所属していました(歴史探訪シリーズ第10回「知床半島の松浦武四郎」はこちら)。
開拓使は北海道に3つの農園--官園を設置します。
七重(現在の七飯町)、札幌、そしてここ根室です。
根室官園は明治7年、穂香と萌様(現在の花咲小学校付近)に設置したものが始まりです(難読地名シリーズ第6回「穂香」はこちら)。
明治8年(西暦1875年)牧草数種を蒔いたところ、クローバーが栽培に適することが判明しました。そこで、牛馬を集めて牧場を開いたのが、根室牧畜場の始まりです。
明治23年(西暦1890年)、牧場は民間に払い下げられます。
明治30年代には、牛馬の売買が盛んになりました。
牛の取引は肉牛が多いものでしたが、この頃からすでに練乳やバター(牛酪)の製造も試みられていました。
技術者の病没や製造装置の火災などの不幸にも折れることなく、開発は続けられました。大正末期には、根室牧場や北海道練乳会社もバターの製造に成功した記録が残っています。
明治公園は、当時の酪農家の方々が日々研鑽を積んだ場所でもあるんですね。
写真に写っているサイロは昭和7年および昭和11年に建てられたものです。赤レンガづみのサイロとして国内最大級であるとともに、国内で二番目の古さを誇ります。
サイロ自体の文化財としての価値や、サイロを中心とした公園は、様々な形で認められるところとなりました。
・明治公園やサイロが認定されているもの
昭和54年 | 根室十景 |
昭和63年 | 北海道町づくり百選 |
平成13年 | 国の登録有形文化財 |
平成18年 | 日本の歴史公園百選 |
平成19年 | 近代化産業遺産 |
現在では、散策やレクリエーション活動に利用されていますので、ぜひ訪れてみてください。
クリスマス時にはライトアップされました。
参考文献:根室市史
参考文献:中標津町史
参考文献:北の先覚(高倉新一郎 著)
参考:平成25年1月1日付根室新聞
参考HP:
ここでヒストリー・ハンターからお知らせです。
明治公園ハイド
明治公園には、野鳥を観察するための小屋(ハイド)が設置されています。
私も少し待ってみましたら、ゴジュウカラに会うことができました。
ゴジュウカラ
2月16日(土)、17日(日)両日にはバードランドフェスティバル2013も予定されています。ぜひ、歴史探訪とともに根室においでください!
フェスティバルの詳しい情報はこちら。
・「根室市歴史と自然の博物館」では「根室牧場」が記載された当時の地図が展示されています。詳しくはこちら。
・根室地域の旬の情報をお届けするブログ「E北海道ねむろのくにブログ」はこちら↓