北海道教育庁文化財・博物館課です。
皆さん「トンコリ」という楽器をご存じでしょうか。
トンコリは、主に樺太に住んでいたアイヌの方々が使用してきた弦楽器で、3本から5本の弦が張られています。
出典:公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構発行
「アイヌ生活文化再現マニュアル トンコリ」
7月末に、釧路市で「トンコリの演奏技術を学ぶ」というテーマでアイヌ民俗芸能伝承講座が開催されました。釧路アイヌ協会が開設している講座で、全8回中の5回目でした。
この日の参加者は15名で、そのうち児童生徒が6名いました。トンコリを演奏するのは難しいものだと思っていましたが、受講生は、5回目ともなると、それまで練習してきた楽曲は、少しの個人練習後、美しい音色ですばらしい合奏を聞かせてくれました。大人よりも子どもたちの方が、曲をマスターするのが早いそうで、みんな元気に演奏していました。
今回は、新しい曲にも挑戦したのですが、講師のお手本の演奏を聴いただけでは、さすがに弾くのは難しいらしく、初めのうちは個人練習に悪戦苦闘していました。しかし、講師の熱心な指導もあり、最後の合奏時には一通り演奏でき、皆さん、苦労の甲斐があったと喜んでいました。
和気あいあいとした中にも、真剣に練習する姿があり、講座の終了時には、心地よい疲れの中、満足した表情が見られました。
釧路地域は、涼しい夏の間、本州から短期間、お試しで移住する方がおり、今回の講座にも、そうした方が参加していました。
この講座は、アイヌ民俗文化財伝承・活用事業として、北海道教育委員会が北海道アイヌ協会に委託して開設しているもので、トンコリやアイヌ古式舞踊などの民俗芸能のほかに、木彫りや刺繍などの民俗技術をテーマとした講座を、釧路のほか、帯広・浦河・むかわ・苫小牧・白老で、実施します。
楽しみながらアイヌ文化に触れられる機会ですので、会場のお近くにお住まいで、興味・関心のある方は、受講してみてはいかがでしょうか。
詳しくは、次のホームページをご覧ください。
(北海道アイヌ協会のホームページ)
https://www.ainu-assn.or.jp/event/details/211.html