こんにちは北海道教育庁文化財・博物館課です。
様似町「様似山道」(さまにさんどう)、えりも町「猿留山道」(さるるさんどう)が2月13日に国指定史跡になりました!
◆史跡とは?
貝塚・古墳・城跡・お寺や神社・交通運輸施設などで日本の歴史の正しい理解のために欠くことができず、学術的価値の高いものです。山道はこのうち、交通施設にあたります。
これまでに北海道では国の史跡が52件あり、今回の2件は、53・54番目となります。また、道(みち)の指定は北海道では今回が初めてです。
◆2つの山道はどこにあるの?
様似山道:様似郡様似町字冬島、字幌満にあり、指定面積は約4,400㎡、道の長さは約4.5㎞です。
猿留山道:幌泉郡えりも町字庶野、字目黒にあり、指定面積は約5,700㎡、道の長さは約6.3㎞です。
◆どんな道なの?
18世紀後半にロシアの船が北海道周辺にしばしば現れるようになり、これに対する警備を強化するため、天候が悪い時に通行が難しくなるそれまでの海沿いの道にかわるものとして、寛政11年(1799年)に、当時は蝦夷地と呼ばれていた北海道において、江戸幕府が初めて作った道路です。
◆誰が通ったの?
山道ができた翌年の寛政12年(1800)には伊能忠敬が測量調査で通過しています。他に、江戸時代には北海道の名付け親である松浦武四郎が、明治時代には榎本武揚や十勝開拓の祖といわれる依田勉三が通っています。
◆歩いていたの?
道幅は約90㎝ほどですが、歩いて通行したほかに、馬や籠(かご)に乗って通行していたことも記録から分かっています。
◆冬も通ったの?
厚岸町にある国泰寺(蝦夷三官寺の一つ)の僧侶が、1月末に籠(かご)に乗り通過している記録があるので、冬も通行できたことが分かります。
◆道以外の痕跡はあるの?
様似山道の途中には、明治時代の旅館である原田宿跡があります。原田宿跡の発掘調査では、旅館で使用された急須・徳利・鉄鍋や寛永通宝・天保通宝などの江戸時代の古銭も出土しています。
猿留山道の途中にある沼見峠には、旅の安全と地域の繁栄を祈願して江戸時代に建立された2基の石碑があります。
◆今でも歩くことができるの?
5月上旬から11月頃まで歩くことができます。歩く会も開催しておりますので、詳しくは地元の教育委員会にお問合せ下さい。
◆問い合わせ先
様似町「様似山道」:様似町様似郷土館 電話:0146-36-3335 休館日:毎週月曜日
http://www.samani.jp/kyouiku/index4.html
えりも町「猿留山道」:えりも町郷土資料館内 電話:0146-62-2410 休館日:毎週火曜日
http://www.town.erimo.lg.jp/horoizumi/
様似山道・猿留山道の位置
様似町様似山道
様似山道途中にある原田宿跡
えりも町猿留山道
猿留山道途中にある江戸時代の石碑