こんにちは。
総合政策部政策局総合教育推進室です。
若者の海外留学を官民挙げて支援する「ほっかいどう未来チャレンジ基金」により留学中の梅村さん(SportsLifeDesingIwamizawa)から、10月の活動の様子が届きました。
梅村さんは、子どもが楽しみながら運動能力を伸ばせるボール運動指導プログラム「バルシューレ」を学びに、ドイツのハイデルベルク大学に留学しています。
ほっかいどう未来チャレンジ基金HP
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/sky/mirai-jinzai.htm
ほっかいどう未来チャレンジ基金Facebook
https://www.facebook.com/mirachalle/
10月のバルシューレ・ハイデルベルクの活動は、主にベビーバルシューレ(1歳半〜3歳くらい)とミニバルシューレ(4歳〜6歳)が行われました。どちらのコースも、バルシューレの指導者と、ハイデルベルク大学の学生がプログラムに基づいて子どもたちに指導をしていました。
「子ども」と一括りにしてしまうと、ミニバルシューレもベビーバルシューレも大差が無いと感じるかもしれませんが、両者はバルシューレの理念である「無指導学習」、「多種多様な用具を使う」という点を根底に置きつつも、全く違うプログラムを組んでいます。
ベビーバルシューレにおいては、指導者が何かを教えるのではなく、子どもたちが来る前にスタッフでアイディアを出し、様々な用具(長いす、跳び箱、マット、フラフープなど)を使って、子どもたちのための遊び場を作ります。子どもたちが集まったら、子ども、親、指導者などが輪になって自己紹介をし、その後、事前に作っておいた遊具や、様々な大きさ・形・柔らかさのボールを使って子どもたちが遊びます。30分ほど遊んだ後に、スタッフが子どもたちにサッカー選手などの絵を見せて、みんなでその真似事をします。
ミニバルシューレにおいては、ボールを使ったり、色のついたマーカーなどを使って様々なゲーム形式の遊びを用意し、子どもたちに提供します。その際も、多種多様な用具や、様々な大きさ・形・柔らかさのボールを使って楽しみます。
どちらのプログラムも、子どもたちの発達段階に則して、何がその世代の子どもたちにとって適切なのかを熟考した上で作られており、子どもたちの未来を見据えた教育であると、ドイツに来て改めて感じました。
指導者だけでなく親も、子どもたちに極度に関わらず、見守ることを大切にしているように見受けられます。どんな小さいことでも、新しいことができたときは全力で褒めてあげる、指導者や親が一緒で無ければできないときは手伝ってあげる、という様な考え方を、指導者と親が共通して持っていると見受けられました。
また、先月に引き続きスポーツクラブでも活動していますが、多世代に対応するため指導スタイルが細分化されていることや、スポーツクラブのことを街や企業が積極的に支えていることに気づきました。ハイデルベルクは大きい街ではありませんが、多くのグラウンドや体育館、スポーツクラブが存在し、子どもから大人までがスポーツを楽しんでいます。勝ちたいと考え練習に励む人たちもいれば、楽しむことを一番と考えている人たちもいます。
日本でも総合型地域スポーツクラブというものが存在していますが、街全体が街のクラブを支えているという状態は、あまり多くはないと感じています。クラブが人々の生活をより良いものにしていく、子どもたちの成長を支えるという考え方を北海道に還元できるように、今後の活動でも多くのことを学びたいと思います。