|
カテゴリ:進学情報
来春入試から神奈川県の公立高校入試は制度改革がされる。そのことは何度か書いてきた。その改革の中で「独自入試」の廃止が及ぼす影響について書いてみたい。
入試問題があまりに易しいので、進学トップ校では250点満点で240点以上がほとんどになってしまい、ちょっとしたミスが合否を分ける状況が続いていた。そんな状況を改善するために、進学重点校というのを指定し、それらの学校では「独自入試」をおこなうことが2005年度からはじめられた。しかし、入試問題を作成する負担があまりに大きいこともあって、今回の廃止につながったようだ。 47都道府県中最も易しいといわれる神奈川県の高校入試問題。その問題も来春からかわることになる。12月に県教委が発表した「問題例」をみてもわかるように、記述が増えて大幅に難易度がアップする。得点も100点×5教科の500点満点になるので、以前のようにトップ校の入試がちょっとしたミスで合否がわかれる、といったことはないだろうと思われる。 いずれにしても「独自入試」がなくなるわけだ。この改定によって進学トップ高の難易度に変化は生じるのだろうか。 ずばり 横浜翠嵐高校 の凋落 の可能性だ。横浜翠嵐高校は数学などの独自入試の難易度を高めることなどで、慶応などの私立校、学芸大付などの国立校を受験する上位層を積極的に呼び込んだ。3人前後だった東大合格者がこの5年で10人前後まで伸びている。「独自入試」の恩恵を最も受けた学校だろう。「独自入試」が横浜翠嵐高校の躍進の原動力だったわけだ。同じようなことは、小田原高校、多摩高校、柏陽高校などにもいえるのではないだろうか。 逆に、「独自入試」の廃止で伸びていきそうなのが、厚木高校や川和高校、横浜緑が丘高校、横浜平沼高校などだろう。これらの学校は共通入試を続けてきていて、今回の「独自入試」廃止の混乱は関係ない。しかも、「独自入試」を嫌う層をしっかりと集め、この間もそこそこの実績を積み上げてきている。来春以降、今まで以上に伸びていきそうなのは、「独自入試」を実施していなかった地元の進学校ということだ。とくに、来春入試では、制度改革元年ということで受験生の間に不安もあり、地元志向、安全志向が強まるように思う。 今春入試を控えている中3生たちもそんな神奈川県の受験状況を知っておこう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.01.12 13:55:04
[進学情報] カテゴリの最新記事
|