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今日は英語について分析してみましょう。
まずは英語の得点分布です。昨年の分布と比べてみるとわかりますが、棒グラフが低い方(左側)に寄っているのがおわかりでしょうか。91点以上の得点者も13.8%→4.8%と減っています。それだけ難易度が増した、ということです。かつては神奈川県の英語ほど易しいテストはない、といわれた試験でしたが、それなりに難しくなっているということです。 さて、英語が難しくなった、と聞かれてみなさんはどんなことを想像されるでしょう。単語が難しくなった、長文が増えた、文法の難しい出題が増えた・・・ そんなことを考えませんでしたか? すべて違います。神奈川県の英語の入試問題では、難しい単語も、構文も、文法も出題はありません。むしろ、単語や熟語などは、すべての教科書に共通する易しいものしか出題されていません。長文も、今年度からはすべて「対話文」となり、難しいテーマの英語長文の読解力など全く必要ないのです。 それでは何が難しくなったのか? 出題のプロセスがかわったのです。これは他の教科と同じです。保護者の皆さんからみると「えっ!」と驚くような出題ばかりです。いわゆる「使える英語」というのがキーワードとなった出題になっているのです。アウトプット重視の英語力がもとめられています。それを今回は「英作文」の出題から見てみましょう。 今春入試では5題で20点分の英作文の出題がありました。4年前までの神奈川県の高校入試では英作文の出題はなかったのですから、5題の出題は隔世の感があります。もちんそれだけでも難易度があがったということですが、注目したいのはその出題の形式です。この5題のなかに、単純に日本語を英語にする出題は一題もありません。「あなたは日本語を毎日話すべきだ」という日本語を英語にしなさい、といった出題はないということです。 まずはリスニングの問題の中で英作文の問題が出題されています。メアリーからカナへの留守番電話のメッセージがリスニングとして流れます。それを聞き取った上で次の質問に対する答えを英語で書くのです。「Mary thinks that a Japanese tea cup is better than flowers as a present for Tom. Why dose she think so?」 他の教科でもそうですが、解答を導き出すまでのステップ数が多いですね。英語の聞き取り→聞き取った英語の理解→英文で書かれた質問の理解→何を答えるかを導き出し→それを英文でまとめる。ざっとこれだけのステップを踏んではじめて解答ができます。しかも、この出題形式は昨年まではなかったものです。昨年は日本語で答えさせていました。入試は英語からスタートします。緊張している中、リスニングがはじまり、今までにはなかった出題形式の英作文にぶつかり、と生徒たちはかなりのプレッシャーを感じたはずです。この英作文の正答率は6.3%でしかありませんでした。 つぎの出題も同じような問題です。短い英文を読んでその内容を理解し、出題の指示に従って英作文をします。模範解答は「You should speak Japanese every day.」というものです。「あなたは日本語を毎日話すべきだ」という日本語を英文にするならば簡単です。この問題の正答率は33.5%でした。 こうした出題に対してはそれなりの対策が必要です。しかし、一昨年からの神奈川県の高校入試問題はパターン化から脱却しています。今春のリスニングの英作文のように、ある意味では「どんな形式で出題されるかわからない」ということです。それでもおおきなくくりとして「解答までのプロセスの重層化」は間違いありません。「日本語→英作文」といった単純な出題形式ではなく、「リスニング→英文の理解→英作文」と、解答までのプロセスが何段階かの重層構造になっている、ということです。 何度も書きますが、こうした出題は学校の定期試験ではありません。絶対評価になり、学校の定期試験はあくまでも「単元ごとの理解度の確認」というテストになっています。つまり、学校の定期試験対策とこうした高校入試問題への対策は全く別ものだということです。とにかくしっかりと対応できるように学習をしていくことが必要です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.08.02 18:07:02
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