夜が待ち遠しい

　今回の名古屋滞在でも居酒屋ばかりでなく、喫茶店もあちこちお邪魔してきました。居酒屋もしくは喫茶店の感想が連続すると片方にしか興味がない方にとってはつまらないでしょうから、できるだけ交互に感想を綴っていきます。さすがに出張中の身であるため、普段の旅行時のようにはいきませんが有名・無名を含めそれなりの軒数のお店に伺うことができたのは幸せでした。

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　といったわけで、初日の出張を終え、に亀島駅からチサンホテルに向かう際だけでも「純喫茶 夢」などいくつかの琴線に振れる喫茶店を見掛けはしたものの、ともかく居酒屋目掛けて猛ダッシュしていたので、おおよその場所だけ頭に叩き込んで、写真を撮ることもなく通り過ぎてしまいました。次の機会まで壮健で営業を続けられていることを祈りつつ、一日目の居酒屋巡りを無事済ませで早朝5時30分には起床、6時30分には地下鉄の人となったのでした。

　最初に向かうは向かうは、栄のとある名店。名古屋ではこれまで「純喫茶 クラウン」などの素敵な喫茶店を訪ねてはいるものの、事前に目的の店を定めるということはしたことがありませんが、今回は準備万端にリサーチして臨んでみました。











　そういうわけで名古屋滞在2日目の早朝、一番に訪れたのが栄の「ライオン」。昭和33年創業の老舗喫茶です。奥に深い間取りの最奥の一段高いスペースにものすごく惹かれますが、シャッターの開ききる前に入れていただいた手前遠慮して入り口付近の席に着きます。それにしてもさまざまなオブジェが無造作なようでここしかないという位置に配置されており、一般的にオブジェとしてはいかがかと思われる今時珍しい家具調テレビさえもが店の一部として魅力的に機能しています。コーヒーをお願いすると当然のようにモーニングにしますかの一言。もちろんお願いします。おいしいトーストとゆで卵で380円というのもうれしいですね。いつまでも留まっていたい名店でした。











　続いては、久屋大通にある「エーデルワイス」。そっけない看板もあって外から眺めるだけではありふれた喫茶店であるかのような、不安が去来しますがそれはまったくの杞憂というもの。中2階の見渡しのいい席に落ち着くと、トーテムポールなどの装飾の数々に目を奪われ、中2階の格天井に描かれた35枚の天井絵は必ずしも達者とは言えないものも含んではいるもののどれも愉快な気分をもたらしてくれます。緑のベルベットのソファも昭和29年の創業以降、何度も張り替えられてきてはいるのでしょうか、輝くばかりに美しく山好きという店主のこだわりが感じられ、不思議な森に迷い込んだ心地になります。350円のコーヒーにはやはりトーストとゆで卵。朝から喫茶店のはしごなんて無粋なことをしているのが我ながらバカらしく感じられます。







　そのすぐそばに「東洋軒」なる看板を眼にしてしまいました。セルフ式の喫茶店のようです。ついつい寄らずにはおられません。店内は，たばこ中心の売店と喫茶スペースとに別れていおり，おばあちゃん2人で分担して仕事されているようです。喫茶スペースはセルフ式となっていて，おばあちゃんにアイスコーヒーをお願いしました。安くて早くて居心地のいい，まさにサラリーマンが泣いて喜ぶような気持のいい店でした。











　この朝の最後の喫茶店は、高岳からほど近い「ボンボン」。名古屋における洋菓子屋さんの併設喫茶の草分け店ということです。昭和30年初頭に創業し、現存する建物は昭和42年の全焼により建て替えられたその翌年の築になるそうです。遠目からも目を引く巨大な袖看板がおいでおいでをしているようで、じっくり眺めることもなくさっさと店内に招き入れられてしまいます。一息つく間もなくレトロな衣装を纏ったお店の方にコーヒーをお願いします。やはりモーニングをお付けしますかと言われますがさすがに朝からこれ以上はきついので、丁重にお断りすると一口サイズのクラシックなケーキが添えられています。お腹は一杯ですがうれしくてついついいただきます。これで300円とは驚き。店内は抑えめの照明で、碁盤目に筋の入った赤と橙もしくは赤と白のソファが可愛い。あまりの居心地の良さに出張など放り出してうつらうつらしたくなりますが、そこはぐっと我慢で店を後にします。









　こんなところで時間切れ，慌てて出張先に向かうことにします。新栄駅まで歩いたのですが、その過程でも魅力的な店が手招きしています。これらの店もそれぞれ個性的な魅力を発散しまくっています。今すぐでも飛んでいきたい気分になります。