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カテゴリ:中部地方(北陸・東山・東海)
酒場っていうのは地域性や季節感といった差異を商売に結び付けることが比較的容易な業態であると思うのですが、そうした中にあってバーというのはそうした差異を感じさせないもののように思えます。無論、地元で作られた酒を贔屓にして提供していたり、カクテルに季節や地域に則した果物を使ってみせたりと様々な演出を披露してくれたりもするけれど、基本的にはいついかなる時もどの町にあってもほぼ似通っているのがバーという業態だと思うのです。いついかなる時と書いたけれど、ほぼ年中無休で営業している店舗もあったりするからいつでもどこでもそこにあるというのがバーの最大の美徳だと思うのです。
と前置きはその程度にして16時過ぎには、「バルマン(Barman)」に到着しました。木製の大きな引き戸というスタイリッシュな外観です。ということは内装はスタイリッシュな雰囲気なんだろうな。そろそろと引き戸を開くとそこは前室になっていてその奥に客席があるようです。こういう寒さが厳しい土地柄ではこうした構えの酒場を時折目にするなあなんて思い至るのです。こうした店舗の造り自体が地域性・季節感そのものですね。と関心していられない事態が生じました。なんとこの時間なのにすでに客席は埋まってしまっています。確かに狭いお店ではありますが、この時間で満席とは……。しかし幸いにも夫婦連れが勘定を済ませるようです。良かったあ。しかし彼らはいつから呑んでいたんだろう。他の客も新幹線待ちかと思いきやさにあらず皆さん地元の方で演奏会なりのイベント後に連れ立って呑みに来たようです。てっきり観光客相手の店と思い込んでいたので、地元の方たちに浸透しているのが嬉しくなります。が、まあ軽井沢の住民は都内と行き来する方も少なくないからこうしたバーも通い慣れているのです。落ち着いた後にバーテンダーさんから聞いた話ではの銀座のお店から移ってこられたとのことで、その当時からの常連さんが付いてきたのかもしれません。後で頂いた名刺からネットで検索してみたら銀座の名店「テンダー」で働いておられたようです。バーテンダーさんは実に語りの達者な方で、特に軽井沢のオフシーズンの様子を聞かせていただいて、誰も客の来ない店内で一人グラスを磨いていたという話は鮮明に脳裏に思い描くことができたのです。ジントニック、ギムレット、マティーニ、いずれも実に美味しい。いやはやこのバーのことを思い返すとすぐにでも軽井沢行きの高速バスに乗り込みたい気分になってきます。ここはいずれまた軽井沢を訪れた際には旅の締めくくりに必ず立ち寄るべきお店となりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023/01/16 08:30:08 AM
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