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カテゴリ:足立区
以前,足立区の小菅をさんざん歩き回った末にここには酒場はないと結論付けてしまったのですが,それはあくまで東京拘置所を足立区小菅1丁目に絞って散策したからです。なんといってもこの一帯は荒川と綾瀬川に挟まれた土地で,その先,ずっと東の新小岩の方まで絞り機で搾られたように細く長く伸びているようですが,さすがにそこまで歩いたことはありません。西側は拘置所が遮っていて隔離されたようになっているのが,特異な土地柄だと勝手に思い込んで、きっとこれまで出逢ったことのないような哀愁の酒場があるのではないかと思い込んでしまったのでした。実際はけしてそんなこともなかったのはかつて報告したとおりです。今回は小菅の範囲を広げて、小菅駅を円の中心と考えてその円周内にある町は小菅であると解釈することにしました。なので今回は拘置所方面を東側の半円と考えて、西側に向かうことにします。
ととぼけていますが、ご記憶の方もおられるかもしれませんが、実は喫茶店巡りのついでのパン屋さん巡りで見つけた酒場が本日の本当の目的地です。が、しばらく小菅の西側を歩いてみることにします。駅のすぐそばにスナックがあることは先日も確認していましたが、やはり駅そばのスナックが小菅の中心の酒場のようです。といってもスナックは今ではまるで興味がなくなってしまったので、とっとと目的の店を目指すことにしました。 するとその酒場に向かう途上、ちょっと小料理屋風のお店がありました。「和食処 旬菜 由弥」というのがそのお店。外観からはちょっとしたものを食べさせてくれそうな、若干敷居の高いお店でした。ガラリ引き戸を開くとカウンターの奥でご主人らしき方がくつろいでおられます。開店準備を終えほっとひと時という様子でしょうか。またお客はいませんでした。人気が少なく静かに雰囲気は嫌いじゃないのですが、主人とぼくの2名だけだと息の詰まりそうな気配でしたが、奥さんは丁寧で感じがいい。早速チューハイを用意してくれます。空っぽのカウンターでひとりチューハイを呑みます。特製由弥揚げはだんごサイズのさつま揚げで、丁寧にしこまれているのが味音痴なぼくにも伝わります。寡黙そうな店主もあれこれ話しかけてくれてなかなかに好感のもてる酒場でした。しかも小菅ではじめての酒場らしい酒場でした。 品書:チューハイ:350,特製由弥揚げ:550,いかの沖漬/なす揚出ごまだれ:480,だし巻き玉子:500,鳥たたき:570,小あじ南蛮漬:470 さてお目当ての「焼鳥 おやじ」にやって来ました。カウンター10席ほどで満員の狭い酒場です。まだお客もなく、厨房から離れた席に着き、のんびりするつもりでしたが思い直してガスコンロ前を基本的なスタンディングポイントに決め取られるようです。先客もなかったので女将さんとじっくりお喋りすることができました。こちらはる30年前から店をやっていたそうで、当時はまだまだ五反野駅前なんかよりもずっと活気があって、目の前にかつてあった番神通りは飲み屋通りらしさが有名を馳せていたそうですが、まだここ個人いへんじるパワーはありません。この通りではかつて、この店が開業してすぐの頃映画撮影現場としてロケ地となったようです。しきりとかつての常連のひとりがここはかつて。盆踊りが行われたのだということでした。すっかりさびしくなってしまって寂しい限りであると、後からやってきたおっちゃんがオーダーしながら語りかけてきいます。一見なので女将さんとのお喋りもほとほどに立ち去るべきなのでしょうが、すっかり店の暖かな雰囲気に大満足なのでした。ずばりおすすめです。ところで、なんと驚いたことにこちらにはつい先だって酒場放浪記の取材班が訪れて放映の申し込みを指せたようです。女将さんは北千住の喫茶店が消滅していたり、食堂なんかも楽しそうですが、給料はきまっているので、早々に店を後にします。ちなみにホントウのところ直線距離ではちょっとだけ五反野が近いのですが、かまわないでこ新宿の店ととらえることにします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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