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カテゴリ:千葉県
前回稲毛に赴いてから、早くも半年が経過していたのですね。その際には、JRと京成線の両稲毛駅に挟まれた、狭いエリアを呑み歩きするのがやっとの時間しか取れませんでした。そとエリアは、再開発の気配がまだほとんど感じられず道路も入り組み、商店街というほどには整備されぬ一帯に建つ店舗の多くは、かなり老朽化したものが目立っています。今回は敢えてこのエリアから足を少しだけ伸ばして、JR稲毛駅の北側エリアを呑み歩くことにしました。1軒どうしても立ち寄っておきたい酒場があるのです。
その酒場とは、やはり半年ほど前にヘロヘロになってお邪魔している、と言っても稲毛の店舗でなく千葉駅に近い本店の方だったのですが、今回伺うことにしたのは「八角 稲毛店」になります。稲毛駅の北側は反対側と違ってかなり整備されていており、どうも期待していた風景からは遠い印象です。大きな道路に面して店はあるらしいのですが、こんな立派な通りに古い酒場があるとは思えません。本店は風情のある試行錯誤を繰り返した末に雑然としてしまったかのような愉快な造りのお店ですが、稲毛店はもしかして支店にありがちな真新しい風情もへったくれもないようなお店に過ぎぬのではなかろうか。そんな不安はいざ店の構えを目にした途端に吹き飛びました。本店の変だけど格調ある構えと違ってこちらは正に大衆酒場そのものといった外観だったのでした。開店時間を少し回ったばかりなのに、すでに半分以上の席が埋まっています。それほど広くないカウンターに、恐らくかなり前に改装して誂えたのであろう掘り炬燵式のテーブル席が3卓、狭くて居心地の良さそうな奥の座敷もすでに塞がっています。慌ててカウンター席を確保したものの、その後独り客がやってくる事はありませんでした。先客にお一人だけ一人酒を決め込む―と言っても呑むというよりも圧倒的な食いの印象が強く、ぼくなどより遥かに年長と思われますがかなり大振りのこちらのもつ焼を矢継ぎ早に10本ほどやっつけたと思うとさらにボリュームのある煮込とどっさりキャベツの生野菜までぺろり平らげるのだからこの団塊世代のオヤジたちにはとてもじゃないけど敵わないなあ。本店では酔っ払ってしまってじっくり味わえなかったものの―しかも本店とこちらのもつ焼は全く別物かもしれないのですが―、すごい旨いではないですか。特にホネというのがナンコツ以外にあって、試しに頼んでみるとこれが実にユニーク。ピーマンを2つ割りにしたような形状のナンコツ―歯応えがすごい、歯の弱い方は要注意―に濃厚な味わいの肉がぎっちりと詰まっているのでした。量り売りというちょっと珍しいスタイルの焼酎にピッタリの辛めのタレも素晴らしい。すっかり満足して店を出るのでした。 続いては「八角」に向かう際に通りがかつて寄ることを決めていた「大衆酒蔵 いろり」にお邪魔しました。雑居ビルのアプローチの味わいに釣られただけですがここが案外良いのでした。典型的な居酒屋スタイルの外観に満足しつつ入った店内はもカウンターと1卓テーブルがあるのみです。もう少し広いお店だと思い込んでいたのでちょっと意表を突かれましたが、想像よりずっと雰囲気のあるお店です。女将さんと調理人はお見受けしたところでは仕事だけの関係のようです。酒を頼むとお通しとしてホタルイカの酢味噌和えやローストビーフなどが出されなかなか立派です。サラリーマンが屯する騒々しさの充満する店を予想していたせいか、いささか静か過ぎるきらいはありますが、独り呑むにはなかなか良いお店でした。お値段もこんな店だからソコソコ取られるという嬉しくない期待を裏切るかのように意外なほどにお手頃でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015/06/03 08:57:16 AM
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