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カテゴリ:中部地方(北陸・東山・東海)
旅に出る日の朝は決まって早くなってしまいます。若い時分は泊まりがなければ旅ではないと、確たる理由もなく決め付けていましたが、今となってみれば具にも付かぬ思い込みであったらしいのです。らしいと語る時点でこの突然の心変わりめいた発言も甚だ疑わしいと言わざるを得ないのでありますが、ともかく見慣れ切って飽き飽きとした生活圏から一定期間の離脱を図り、家の事が気になる程度の時間を過ごした後に帰宅した時の気持ちなどを慮ったりするようであれば、それはもう旅のクライマックスなのであって、そんな気分に浸るにはまだ夜も明け切らぬ頃に家を出るのが肝要となると思っているのです。この日の朝も3時に起床し、4時半過ぎには自宅を出発、新宿駅からは中央線各駅停車、高尾駅で乗り継いで、9時には下諏訪駅に到着しました。当り前過ぎて左記には書かなかったけれど、一日のスタートを一歩二歩ばかりだけど先んじて切れるのも早朝出立のメリットであります。 旅に出る日の朝は決まって早くなってしまいます。若い時分は泊まりがなければ旅ではないと、確たる理由もなく決め付けていましたが、今となってみれば具にも付かぬ思い込みであったらしいのです。らしいと語る時点でこの突然の心変わりめいた発言も甚だ疑わしいと言わざるを得ないのでありますが、ともかく見慣れ切って飽き飽きとした生活圏から一定期間の離脱を図り、家の事が気になる程度の時間を過ごした後に帰宅した時の気持ちなどを慮ったりするようであれば、それはもう旅のクライマックスなのであって、そんな気分に浸るにはまだ夜も明け切らぬ頃に家を出るのが肝要となると思っているのです。この日の朝も3時に起床し、4時半過ぎには自宅を出発、新宿駅からは中央線各駅停車、高尾駅で乗り継いで、9時には下諏訪駅に到着しました。当り前過ぎて左記には書かなかったけれど、一日のスタートを一歩二歩ばかりだけど先んじて切れるのも早朝出立のメリットであります。 前回、諏訪を訪れてからまだ半年程ではありますし、実のところはその落穂拾いが今回の目的なのであります。一時に目当てを虱潰しするのも必要な場合があるけれど、諏訪位の場所であればその気になればいつだって来れるのであります。落穂拾いといっても今回は先般眺める暇もなかった諏訪湖方面に向かいます。諏訪湖というリゾート観光地に向かっているはずなのに駅の北側より退屈なのはどうした町の成り立ちなのだろうなどと思いつつ歩くうちに無粋なショッピングモールに行き着きました。ここに「Coffee たむたむ」なる喫茶店があるらしいけれど果たしてやっているだろうか。地方の町の喫茶店は決まって開店が遅いようです。観光地だからもしやと期待した下諏訪ですが、諏訪湖に向かう通りを歩くうちにその期待も眉唾に思えてきます。しかし、これまた誤算がありました。しっかり営業を開始されています。看板を見ると夜には「Snack タムタム」となり二毛作を慣行し、下諏訪の住民の娯楽や憩いの場を提供し続けているようです。内装はシックにウッディさを基調としており、単調に過ぎる嫌いはあるけれど、電話ボックスやトイレの案内板などにセンスの良さを感じます。少しもスナックっぽくないですね。また、屋外に向けて視点を移すとその逆光が差し込む眺めは素晴らしく、諏訪湖は見えもしないのにリゾートな気分にも浸れるのでした。 もう一軒立ち寄っておくことにしようと駅の北側に歩いていくと、やがて「喫茶☆スナック 夜」なんてこちらはいかにもスナックよりのお店があって、現役ではなさそうに思われます。その通りをしばらく進むと老舗洋菓子店「フレール洋菓子店」があります。岡本太郎が贔屓にしたお店とどこかで耳に挟みました。気の良い主人が出迎えてくれました。今年は暑いねえ、今朝もこんな朝なのにもう暑くて敵わないよ、お陰で洋菓子は売れ行きがさっぱりでねえ。その癖、戸は開け放たれて空調が効いていないのだから何だか可笑しいですね。店内には少しも秘密めいた様子もなく喫茶コーナーが設けられていて、これだけ見てしまうともう満足した気持ちになって、お土産に焼き菓子等を買い込むことにしたのでした。朝から汗だくになってコーヒーを飲む気分になれませんので。壁には岡本太郎を始め著名人との写真も飾られており、そこには昔の店舗の写真も写り込んでいて、それがとてもキュートなのが印象に残りました。そして何よりもご主人の朗らかさが心を和ませてくれて、またぜひ立ち寄りたいと思うのでした。その時までご健勝ならんことを祈念します。 下諏訪駅から中央本線で茅野駅に引き返しました。上諏訪駅でS氏と合流する予定となったので、時間調整が目的です。「琥珀」が目当てだったのですが、探せど見つからず諦めて駅前のテナントビルの2階にあるファミレス風喫茶店に。帰宅後調べると懸命に探索した「琥珀」ですが、事前の調べとは全く見当違いの場所にあることが判明しました。まあそのお陰で茅野に今でも住んでいる友人の元を昔訪れた記憶が蘇ったりして無駄な寄り道とは思っていません。しかし、この町はすっかり様変わりしてしまったという印象です。さて、「モン蓼科」は、店内が丸見えなのですが、実際に身を置いてみたら良いという場合もあるのでとりあえず立ち寄ってみましたが、外から眺めたまんまの印象でした。なかなかいいのだけれど、どこか素っ気ないんですね。それでも喫茶店好きだった茅野在住の友人―彼の喫茶店好きは古風にも決まった喫茶店に通い詰めるというスタイル―にとっては、貴重な場所かもしれぬといつかの再会の時の土産話に取っておきたいと思います。 再び中央本線の下り列車に乗り込み、上諏訪駅に。改札を出て合流すると、早速駅前の呑み屋街に付き合わせることにします。「スナック & 喫茶 ポケット」(店名にあやかってかカンガルーが描かれていて、これがとても可愛いなあ)、「喫茶 スナック まり」、「レストラン コスタリカ」、看板には「珈琲茶館 琥珀」なんて標記もありますが、いずれも店を畳んで久しいようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018/09/02 08:30:07 AM
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