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カテゴリ:豊島区
もう幾度となく取り上げているので駒込については、語るべき言葉はとうに潰えています。駅周辺は閑静なのにこぢんまりはしているものの商店街も充実していてとても便利なのです。ぼくのような地方出身者が上京して初めて過ごすにはとても便利な町に思えるのですが、実際に住もうとするときっと家賃が高額で断念することになっちゃうんでしょうね。東京で一人暮らしを始めた頃には、東京生まれの東京育ちの連中に、その境遇面に非常な嫉妬を感じたものですが、そんな思いも初めだけで今では地方を転々とできた自分の境遇も悪くはなかったものと受け止められるようになりました。でもここ駒込に生まれていたら死ぬまでここで過ごすのも悪くなかったかもなあと思いを巡らすこともあります。ちなみにこの町、飲食店はそう多くはないし、居酒屋よりも食事処が大部分でそれが少しばかり物足りなさでもあるけれど、その分、とても美味しい料理を出してくれる店の割合が高いと思えるのです。まあ美味しさに比例して値段もしっかりとはしているんですが、そりゃまあ仕方がないですかねエ。
大正11年、駒込に創業した「小松庵総本家 駒込本店」に久々にお邪魔しました。その際は板わさで一杯やりつつそばを手繰るといった極めて軽めの呑みをやっただけでしたが、この夜はとにかくひたすらよく呑んだのです。ぼくはそば好きではあるけれど、どんなそばでも好きなので高級そばをことさら持ち上げるつもりはさらさらないのでありますが、やはり食べると値段に見合った価値はある者です。だからといって通ぶったりできる程の知識はないからそばに関してはただただ確かに高級なそばは高級なそばにしかない旨さがあるとだけ呟くことにします。このお店、長い歴史なだけあってのれん分け制度を今に継承しているようです。ただしシステムは、かつての師弟制度から蕎学舎なる「おそばの学校」で学ぶスタイルに切り替わったそうです。直営店は、駒込本店に加えて新宿高島屋店、丸の内オアゾ店、渋谷東急東横店、銀座店、東京スカイツリータウン・ソラマチ店なんかがあるそうで、いずれも小癪な場所に店を構えていますが、のれん分けされたお店はこれとは別なんでしょうか。HPを見ると蕎学舎はかなり立派な施設なので、出身者は左記の数店舗の店主のみではないはずです。そこらへんの情報もちゃんとフォローしておいてほしいなあ。とまあそれはともかく表は都内で久々の大雪となっており、前回に増してお客さんの入りがよろしくありません。というは最初は貸切状態であったのですが、こんな天気でもしばらくすると2組やってこられました。にしてもそば屋って美味しいそばを出す店は酒の肴も実に立派なことが多いです。こちらも頼むのもどれもかしこも美味しいのです。そばの道を歩む者はひたすら求道的にそば打ちを極めようとするものと思いがちですが、そうでもないんだろうか。それとも繊細なそば打ちを身に付けただけの人にとってみると一般的な料理などは余技のうちってことになるのでしょうか。まあ、どちらでも構わないけれど、こういう上位クラスのそば屋ではつまみ一つにも気を抜けぬから大変なことであります。ぼくがふらふら訪れるような店ではないけれど、たまにこういう店でやれるのは実に幸福なことです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/03/10 08:30:11 AM
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