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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:日本映画
そろそろ北国では、秋の足音が聴こえてきます。 風と日差しが、夏から秋に変わる頃、この季節、いつも観たくなるのが「Love Letter」。 大好きな岩井俊二監督の長編デビュー作です。 2年前、婚約者を亡くした博子は、忘れられない彼へ手紙を書きます あて先は、彼が昔住んでいた小樽の町。届くはずのない手紙。 ところがその手紙に、来るはずのない返事が来て・・・。 藤井樹(いつき)と博子を、中山美穂が二役で演じます。 性格の違う女性を、魅力的に演じ分けて。 博子が書いた手紙は、勘違いで同姓同名の女性に届いて・・・そこから始まるふたりの文通。 かたや、死んだ恋人の息吹を感じたい博子、かたや、記憶を辿ってそれに答える樹。 樹は過去を振り返るうち、忘れていた切ない記憶に出会うのでした。 過去のシーンで中学生を演じるは酒井美紀と柏原崇。 岩井俊二監督の美意識を感じるベストな配役です。 図書館で本を読む柏原君が格好いいったら!(上の写真参照) 同性同名でからかわれ続けた、樹にとって最悪な中学の3年間が、偶然届いた手紙のやりとりで、かけがえのない思い出へと変わっていく――― この切なさがたまりません。 10年前も、こうして同じように切なく観て、今もまだ切ない。 岩井作品には、こんな、感性がぴったりとくる作品が多いです。 そしてなにより、作品に使われている品々がいい♪ 中山美穂演じる藤井樹が着てる柄物ニットの数々、図書館、樹の古い家。 どれも好きです。 使われた古民家は、先日火事で燃えてしまいましたが。(偶然目撃してただけにショック) 博子が次の恋に向かえるようになるまで、喪失感を乗り越えるまでも、切ない見所となっています。 彼の遺体が眠るお山で、彼女が搾り出すように叫ぶ、ただ一言語り掛けたかった言葉・・ラブレターにも書いたその一言には、いつ観ても涙が溢れ出てきます。 乙女チックな作品ですが、こちらも繰り返しみている作品のひとつです 監督・脚本・編集 岩井俊二 音楽 REMEDIOS 助監督 行定勲 、廣瀬達雄 出演 中山美穂 、豊川悦司 、酒井美紀 、范文雀 、柏原崇 (カラー/117分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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