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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:中国映画
NHKはサンダンス映画祭や衛星映画劇場など、映画に力を入れているようです。(回し者ではありませんよ) 先日は、いずれ買って観ようと思っていたポランスキーの『袋小路』『水の中のナイフ』が放映されて大喜び。今は黒澤明監督作品を全作一挙放映しています。 こちらはAFF(アジア・フィルム・フェスティバル)で紹介された作品。 AFFは、1995年から始まったもので、アジア諸国の新鋭映画監督と映画を共同制作したり、アジア作品を上映紹介するお祭。 以前このブログで紹介した『柳と風』もAFFによる、イラン=日本の共同制作作品でした。 こちらもフェスティバルで上映された作品。製作はモンゴル国ではなく、内モンゴルなので中国。 モンゴルの大草原の中に家族と暮らす少年ビリグ。ある日、川に水汲みに行った彼はそこで白いピンポン球を拾う。卓球を知らないビリグとその友だちのエルグォートゥ、ダワーの3人はその不思議な球に興味津々。そんな時、偶然テレビから流れてきた音声でそれが“国家の玉”とも言うべきピンポン球というものだと知って―――。 ありきたりで定石どおり、よくある作風でした。 高原の美しい風景や、雄大なモンゴル、そこに暮す民は魅力です。でもそれだけでは足りません。美しさだけでは。 ピンポン球をめぐる少年たちのやりとりも、どこかで観た事のあるような。 毛色を出すためのオーソドックスさが、裏目に出た退屈さでしょうか。 本編よりも、始まりと終わりに流れるホーミーが良かった。ホーミーは大地からの唸りみたいで、厳しい自然に生きる力強さが感じられます。 軽くて小さくて丸い白い、その物体。 知らない方が良かったのかもしれない、文明からの落し物。 ピンポン球は文明そのものを表現しているのでしょうが、それに触れずにいることは、広いモンゴルといえども、もう無理なんですね。 監督 ニン・ハオ 脚本 シウ・エナ ガオ・ジェングオ ニン・ハオ 撮影 ドゥ・ジエ 音楽 フー・ヘー 出演 フルツァビリゲ ダワー ゲリバン 【カラー/中国(内モンゴル)/105分/緑草地】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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