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2011.02.13
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カテゴリ:ドイツ映画

 別館ブログにアップした『メトロポロリス』ですが、『死ぬまでに観たい映画1001本』に選ばれていることもあって、こちらにも。
すこしだけ、追記して。
 
 映画史初のSF大作で、空想科学の世界を見事なセットと特撮で表現した、サイレント時代の金字塔。
2026年の未来社会、人間は、地上の楽園で暮らす支配者層と、地下の工場で働く労働者層にわかれていた。そんななか、労働者の娘マリア(B・ヘルム)の希望ある演説はみんなの心の支えだった。
地下に降りて労働者たちの現状を目の当たりにした、社長の息子フレーダ(グスタフ・フレーリッヒ)は、彼女とすぐに愛しあうようになる。
そこに社長と科学者が、マリアの顔を持つ人造人間を送り込み、ストライキの抑制を図ろうとするのだが・・・。ロボットは造反を起こし、労働者たちのストライキが扇動されて、地下工場は大パニックに陥ってしまう――。


 ドイツ表現主義の作品といっていいのだろうか。
カリガリ博士』ほどの、ねじ曲がった歪な不気味さはないものの、20年代製作とは思えないほど、スケール大きな近未来の悪夢が壮大に描かれていた。
労働者の娘マリアと、ロボットを二役で演じたB・ヘルムの演技たるや、見事というしかない。怖ろしい形相で皆を扇動する、彼女のギャップが一番おそろしい。
そして、地下工場の造形がまたすごいのだ。チャップリンの『モダン・タイムス』(1936)はここからインスピレーションを得たのかもしれないよ。そんな大がかりなセットと、機械にコキ使われる人間の非力さや虚しさが、いっぱいに表現されていた。

metropolis_maria_robot.jpg


心優しい御曹司とマリアの恋は、定石どおりに実るハッピーエンド。物語ぜんたいも協調という形で、案外かんたんに収束はするが、文明社会にたいする警鐘は、いまなお褪せることなく、観る者を不安感に陥れる。すごい映画だった。

フリッツ・ラング監督が同名で90分の作品に作りなおした1984年製作『メトロポリス』も、いつか観てみたい。 彩色されて、現代的音楽がつけ加えられた復刻版というのだから、そそられないわけがない。

ちなみに、人造人間マリアのダンスはある意味で特筆事項か。まるで古代エジプトの宴のダンサーなのだった。裸に近い出で立ちで、腰をくねくね踊るなんて、とても20年代とは思えない。しかも豪遊の場は“ヨシワラ”。日本の遊郭は、どれだけ諸外国で有名だったのだろう。


†   †   †


監督/ フリッツ・ラング
製作/ エリッヒ・ポマー
脚本/ テア・フォン・ハルボウ  フリッツ・ラング
音楽/ ゴットフリート・フッペルツ
出演/ アルフレート・アーベル  ブリギッテ・ヘルム  グスタフ・フレーリッヒ

(モノクロ/104分)





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Last updated  2011.02.14 22:04:50
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Re:【メトロポリス(METROPOLIS)】 1926年 頭脳と手をつなぐものは心でなくてはならない(02/13)   ベティ333 さん
90年近くも昔に描いた未来にあと少しで近づきますね。
その映画って、手塚治虫の同名のアニメにも影響されてるようですね。
旦那が見てたけど私は観なかったのでちゃんと観ておけばよかったな。

(2011.02.14 22:01:42)

ベティさんへ   はる ** さん
約1世紀前の作品、その近未来がすぐそばって、フジギな感じですね。
摩天楼と交差する道路の感じなんか、現代都市そのままです。
アンドロイドのいる未来も、絵空事じゃないんでしょうね。

昔の人が科学の進歩に危機感を感じたのと同じ危機感を、今自分も感じてる気がします。
おそろしいですね~

手塚治虫の「メトロポリス」は、本作にヒントをえて描かれたそうですよ。 (2011.02.15 16:36:11)


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