カテゴリ:路線レポート・鉄道その他
今回は、DD13形の奥に展示されているキハ11 25を掲載します。
キハ11形は、液体変速機を初めて実用化して気動車の「総括制御」(複数の車両を一人の運転士が制御すること)を可能としたキハ10系のうち、トイレ付きの両運転台仕様車です。 キハ10系は、まだ蒸気機関車が牽引する客車列車が多数を占めていた地方線区において「無煙化」を推し進め、その後に登場して普及することとなるキハ20系やキハ40系などの基本となった車両として、日本の気動車の歴史を語る上でも外せない車両です。非電化ローカル線では北海道から九州まで全国的に活躍し、路線の近代化をすすめました。 しかし、非力なエンジンを搭載した関係で車体の軽量化を進めすぎたことや、客席が狭く乗り心地が悪かったことなど問題点も多く、キハ40系など後継車の登場で次第に廃車されたり地方私鉄などに譲渡されたりする車両が続出し、国鉄では1980年代にほぼ全廃されてしまいました。 現在鉄道博物館に展示されているキハ11 25は、昭和31年(1956年)に東急車輛で製造され、真岡線(現・真岡鉄道真岡線)に導入されました。真岡線一筋で活躍し、国鉄での廃車後は茨城交通(鉄道部門は現・ひたちなか海浜鉄道)に譲渡され、同社の湊線で活躍しました。キハ10系としては最後まで活躍した車両で、平成16年(2004年)に引退しました。 引退後は国鉄時代の姿に復元されて鉄道博物館で動態展示されることとなりましたが、のちに静態保存に改められています。 側面窓は通称「バス窓」といわれる、上段を固定し下段を開閉可能としたタイプが採用されています。 ドアは開けるときは手動、閉めるときは自動となる半自動式となっており、「このドアーは手であけてください」の表記があります。 車番表記と所属表記です。真岡線時代の「水モウ」(水戸機関区真岡支区)となっています。ちなみに、真岡駅のひらがな表記は国鉄・JR時代「もうか」となっており、第三セクター化される際に「もおか」と改められました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.08.28 12:55:06
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