カテゴリ:利根川水系
筑波山南麓は良質の穀倉地帯である。桜川左岸に広がる水田は、昭和初期「筑波北条米」としてブランド化されていた。関東きっての美味しいコメとの評判だった。皇室へ献上された時期があったという。桜川は「坂東太郎」の支川で霞ヶ浦に注ぐ。 筑波山神社から約5km南に農業用ため池の北条大池がある。北条地区のコメ作りを担った水源のひとつだ。春、陽射したっぷりの筑波山をバックに、大池の縁に並ぶ250本の桜は見事だ。大池の水面に映し出される桜と神々の山を仰ぎ見る花見は格別であろう。 北条大池に隣接して、国指定史跡・平沢遺跡がある。奈良・平安時代の筑波郡の役所跡だという。平成15年に古代の大型高床式倉庫を復元。校倉、土壁双倉、板倉の3棟を中心とした芝生公園が整備されている。稲や麻布が税として納められた。昔からコメ作りが普及していたようだ。 標高10mから20mの桜川低地が稲作に適していたのは、御神体山によるところが大きい。筑波山由来のミネラル豊富な水がコメの旨味を引き出すと云われている。一日の寒暖差の大きく内陸性気候が野菜の甘味を作る。しかし昨今の異常気象は、この地に竜巻被害(2002年5月)をもたらした・・。 写真-1 北条大池から平沢遺跡と筑波山を望む。春は花見の名所になる。
写真-2 筑波山から南麓と田畑を眺める(沼田・神郡地区)。 写真-3 古代遺跡の里・筑波郡の役所があった場所。 写真-4 3棟の復元倉庫(板倉、土壁双倉、校倉)が建っている。 写真-5 高床式の土壁双倉と双耳峰を重ねて撮影する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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