あなたには、心から熱心に取組めることはありますか?
どんなことでもよいのです。
どんな風に見られようと、何も得られないように見えても。
四年ほど前の私は、いろいろな理由をつけて頼まれごとを避けようとしていました。
周囲より目立った行動をして余計な摩擦を起こしたくないという気持ちがあって、
自分をどんどんと小さなもの、卑小なものにして
殻の中に閉じこもっていたように思います。
地域の役員が当番で廻ってきたときも、なるべく面倒なことはしないでおこう、
一年間を無事に過ごそうという気持ちで引き受けました。
ところが、地域のこども会から30年以上も続いてきた「
花壇の世話ができない。」という訴えや、
連続して起きる空き巣の被害、ゴミの散乱など、次から次に問題が起こり、
殻に閉じこもってばかりもいられなくなったのです。
それらの問題は、すべて地域のコミュニケーション不足から起こっていました。
我が家の担当区域で5件ほどの空き巣があった直後に交番に対策をお聞きしにいったところ、
「
互いに顔見知りの地域は犯罪が少ない。挨拶をし、行事に参加して
住民同士の顔を繋いで行くのが一番。」
たしかに引っ越してきた当時から「
挨拶をしても返ってこないところ」という印象はあったのです。
また、ゴミがいつも散らかっているところは、住人同士の繋がりがないところだと判断されて、
空き巣の被害も多いとのこと。
挨拶をしないから顔見知りになれない、顔見知りではないから、花壇が荒れ放題になったり
道端にゴミを散らかしても気にしない、ゴミを散らかしているから、繋がりがない、
見られていないと判断されて、空き巣や車上狙いに逢うことが多くなる。
それから多くの方々の協力を得て、まずは荒れ放題になっていた花壇のお世話から、
問題にひとつひとつ取組んでゆくうちに、だんだんと私の
心の殻までもが取れてゆくように。
一番の収穫は、老人会の方々が地域のためにと進んで、何の見返りもない
無償の奉仕をしてくださる姿を、見せていただくことができたこと。
「
花壇の世話を押し付けられていた」と感じて頑なになっていたお母さま方や
子供たちにも、その尊さが少しずつ伝わってゆくさまは本当に感動的でした。
頼まれごとを素直に受けることができる静かな喜びも感じるようになり、
役員の任期が終わったあとも、引き続きいろいろなことに関わらせていただくようになりました。
このブログを二年前に開設するにあたって、そのとき一番の関心事が先ほど書いた
花のお世話でした。
ひと口に花のお世話といっても、美しい花を咲かせ続けるには、
固い大地を耕して、前の苗や雑草や根を引いて、石灰で土を中和して、
腐葉土を混ぜて、種を蒔いて、肥料と水を与えて、雑草を引いて、
伸びすぎた苗を切り戻して、枯れた葉や終わった花を摘み取って、
風や雨で倒れたときは起こしてなど、間断なくお世話し続けるということ。
公園や道路わきに何気なく咲いている花壇の花たちが、
どれほどたくさんの方々の手をかけて咲いているかということ、
美しきものも、人の心持ち方次第で、苦痛にも歓びにもなること。
そして、
人は人と関わることでしか本当の感動は得られないということを
地域の花壇を通して実地で学ばせていただいたのです。
こうして花を通して知り合った方々が、地域でのお祭りやグラウンドゴルフ、
子供たちが描いた絵手紙を敬老の日に贈る絵手紙の会などで、
子供から大人、高齢の方々までがさらに交流を深めることができるようになりました。
この頃頻繁に起きる子供の連れ去りに対しても、顔見知りになった
大勢の方々が小学校の下校時に集まってくださるようになり、
他地域からも羨ましがられるほどに。
これが、4年前の挨拶をしてもかえってこないところと同じ地域とは、
とても思えないほどです。
花壇の世話ができないといった、一見小さな困りごとが、これほど大きな
種を秘めているとは、
それを少しずつ育ててゆくことで、様ざまな花が咲いてゆくのを感じることがどれほど幸せか。
様ざまな人々の思惑が飛び交い、紛糾したこともありましたけれど、
逃げないでいて本当によかったと思います。
ちょうど役員の任期が終わった頃に、ヨガ教室とのご縁を得ました。
「
行為の結果を求めない」「利己主義とは自分を卑小なものであるとみなすこと」
という教えは、それまで地域でさせていただいたことが、ヨガを学ぶ上でも
具体的に自分の中で生きてくるように思いました。
そして目の前で起こった問題に見えていたことが、実はすべて地域にとっても
私にとっても必要な出会いであったということがわかったのです。
ヨガを続けてゆくことで「心身の自由度」をさらに高めれば、
目の前に起こるどんなことにももっとあっさりとOKを出せるようになってゆけることでしょう。
良いことに見えることも、悪いことに見えることも、すべて学び、
あとから見てみたらなくてはならない出会い。
このことを抱けば、生きているうちに起きるどんなことも遊びになる。
心から熱心に取組める遊びに。
☆このページのアドレス「hanagasaku」の思いについて
お訊ねくださった
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